能力犯罪特別対策室(3)【JW】 (ページ8)

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俺は急いでイヤーカフを耳につけて、その小さな発信機を握りしめる。

＿＿どうか、気づいてくれますように。

俺はそう願いながらその発信機を飲み込んだ。

それと同時に光弾の風圧で身体が飛ぶ。

緑「かはっ……！」

壁に叩きつけられ、背中に痛みを感じながら、俺は少女を睨みつける。

「コア〜」

壁に追い詰められた俺を、少女はニヤリと口角を上げたまま覗き込んだ。

「じゃあ帰ろっかぁ。コアちゃん」

少女はそう言うと、手に持った注射器を俺の首に刺した。

何かが首から身体の方へ巡るのを感じながら、視界がぐわんと歪んでいくのが分かった。

緑「ぁ……う……」

酷い目眩のようにグルグルと回っていく感覚とともに、俺の瞼は抵抗も出来ずに閉じていった。

＊

突然、通信機から鳴り響いた大きな音に、俺は思わず足を止めた。

赤「どうした!?……流星！神ちゃん!?」

大声で呼び掛けても、通信機からはノイズが走るばかりで、返答はなかった。

桃『何、今の音……!?』

紫『何が起こった？』

困惑した皆の声が次々と飛び交う。それでも、神ちゃんと流星の声はいくら待っても聞こえない。

ニヤリと笑って殴りかかってきた男の頭上にワープして思い切り踵を落とす。

俺は通信機に手をかざして、口を開いた。

赤「まさか、最初から狙いは拠点か……？」

橙『テロは囮ってこと？』

すると、ずっと黙っていた淳太が、焦ったように早口で言葉を放った。どうやらテレパシーでコンタクトを取っていたらしい。

黄『ユートピアの構成員が拠点に行った。流星がやられて、神ちゃんが狙いやったらしい。神ちゃんのことをコアって呼んでたって』

赤「コア……？」

その言葉を聞いた時、頭の中の隅の方がぐずぐずと疼いた気がした。

なんで、聞き覚えがあるんだ……？

桃『とにかく、拠点に戻らないと』

紫『パレードの護衛はどうするん？まだこっちも安全って訳やないで』

桃『でも……！』

望の悲痛な声が通信機から響く。

黄『……分かった。しげと望は拠点に戻って被害状況を確認してくれ。パレードの護衛は俺と照史と濵ちゃんで続ける』

淳太の提案に、俺はすぐに頷いた。

赤「分かった。ありがとう」

＿＿神ちゃん、流星、無事でいてくれ、頼む……！

俺は建物から地面へワープし、急いで拠点へと向かった。

　