きらきらひかる、 (ページ1)

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3年ぶりに実家に帰ってきて1週間がたった。

『いい加減あの箱どうにかして』とお母さんに言われ、仕方なく高校時代の青春が詰まった大きなダンボールを部屋から引っ張り出してくる。

何度も整理しに来てくれ、とカトクが送られてきていたが私はそれを全てスルーしていた。

面倒くさいからじゃない。やりたくないだけ。

だって、この箱にはあいつとの思い出がたくさん入ってるから。

箱を開けたら、あの頃の甘酸っぱい記憶が全部過去になってしまうような気がしてどうしても勇気が出なかった。

一番上に乗っていたアルバムを開くと、少し黄ばんだ一枚の写真が落ちた。

「…懐かしい」

写真に写るのは雲一つない青空の下で、もうすぐ散ってしまいそうな桜と自転車で坂を下る金髪の少年。

その桜と少年はあまりに不釣り合いで、でもそれがとても綺麗で、なぜだか涙が出そうになる。

いくらアルバムをめくっても写っているのはきらきらひかる、あいつの笑顔だけ。