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「では僕たちとお昼にしましょう」
そう言ってニコリと笑うアズールは、相変わらず信用したくない。そういう笑みが板についている。それが余計に信用を下げている。
「アロワナくんそれだけでいいの〜？」
「うん」
別に育ち盛りじゃない。食欲もそんなにわかない。
「そんなことよりアズール、カフェの経営は？」
「おかげさまで軌道に乗ってますよ」
「ならよかった」
彼が始めた『モストロ・ラウンジ』だが、その創設に僕が一役買っている。いろいろ情報を流したりアドバイスしたり、まだ1年生だった彼らの手助けをした。結果、この学園におしゃれなカフェができたので嬉しい。
「ねぇまた遊びに来てよ、サービスするからさぁ」
「えぇ、ぜひ」
「そうさせてもらうよ」
顔を出す前に会ったから、サプライズ感が薄れてしまった。本当ならあそこで会いたかった。
まあ、それでも行くのだけど。
まだあの悪どい商売をしているのか気になるし。
昼休みが終わってまたヒマになった。
どうしようかなーと無意味に歩いていると、
「レイヴァース、少し来なさい」
トレインに呼び止められた。
「なんですか？」
どうせすることもないので素直についていく。心当たりは無いけど。……ないハズ。
ルチウスが背中越しに僕を見ていた。動物は嫌いだ。だから思いっきり睨んでやった。
空いている教室に入るとトレインは、紙を差し出してきた。何かと思って見ると、成績表だった。
「動物言語学の欄を見てみろ」
「……わぁ」
そこには見事に最低の評価がされていた。
「サボりすぎだ。筆記テストができても実技テストを受けてない。これでは卒業できんな」
返す言葉もない。
だが、動物言語学なんて普段から使わない。それに僕はそういう職につく予定じゃない。別にいいと思う。
「あの、どうしたら…？」
という本音は隠して質問してみる。トレインは何をさせたいのだろうか？
「どうもこうもない。卒業までにルチウスと一言でも会話できたらそれでいい」
1番やりたくない課題が返ってきた。どうしよう。絶対に回避したい。
「僕は動物と関わりたくないんですけど」
「拒否権はなしだ。だが理由は聞いてやろう。なぜだ？」
「だって…動物には理性がないじゃないですか」
「…なんだと？」
あ、地雷踏んだかも。
途端に冷や汗が流れてくる。
数秒の沈黙のあと、トレインは口を開いた。
「お前の言い分はよく分かった。明日の放課後、またここにくるように」
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しあ(プロフ) - 雪華さん» コメントありがとうございます。最近ですと呪術廻戦ですかね。 (2021年3月5日 21時) (
レス) id: 46cd819be0 (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - 高評価しました!知ってるアニメは何ですか? (2021年3月5日 21時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しあ | 作成日時：2021年2月28日 20時
