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 VDCに興味があるかと問われたら、僕は「そんなにない」と答える。
 では総合文化祭に興味があるかと問われたら、僕は「とても興味がある」と答える。
「イデア、研究発表するんだよね?行っていい?」
「えっ…それはもちろん」
まあ、駄目と言われても行くのだけど。
「でも雑用係は?大丈夫なんでござるか?」
「あー、本番に僕はいなくてもいいって」
「ほんとに雑用係で草」
そう言ってイデアは笑うけど、僕としてはそれでよかった。VDC本戦で時間をとられて、いろんなところに行けないのは困る。見に行きたいところが基本的に多いのだ。ジェイドの「山を愛する会」もそのひとつだし、ボドゲ部の出し物は体験する側で楽しみたい。
「どう?そっちは」
「…いかに自分が喋らないで済むか研究中でござる」
「へー、おもしろそう」
俄然興味がある。自身が話さないなら、どうやって発表するんだろう?
「A氏!気になるでこざるか!?」
あ、どうしよう。スイッチ入っちゃった。
「合成音声を使おうと思ってるんだけど、それだと質疑応答のときは?という所が最高難易度で…」
「まってまって、ネタバレは厳禁だってば」
「はっ…!つい熱が入って…」
イデアは自分の趣味のこととなると、すぐに熱が入って熱く語りだす。いわゆるオタク特有の早口なんだが、ここで黙って聞いていたら、彼の研究発表のネタバレになる。
 僕としては、それはどうしても避けたいのだ。新鮮な気分で聞きたいから。だからセリフキャンセルさせてもらった。
「発表が終わればいろいろ聞かせてもらうから」
「そうでござるな…」
だからボドゲ部の出し物についても一切聞く気は無い。アズールは置いといても、イデアならきっと、楽しいことを考えてくれているはずだ。
「そうだ、オルトくんは?元気?」
「うん…最近はちょっとVDCのオーディションに落ちて元気なかったけど」
すごいな、あの子。兄とは大違いな行動力だ。
「また会わせてよ。また機能増やしたりしたんでしょ?」
「またって何でござるか」


 イデアが研究発表の準備に戻っていったタイミングで、僕はバイトに向かった。
「お疲れ様でした」
「おつかれ!A、シフト入りまーす」
交代の子と挨拶して、従業員の服であるオクタヴィネルの寮服に着替える。
 ちなみに帽子は入らなかったので、着用していない。試着した時、フロイドに死ぬほど笑われた。ジェイドは「笑ってはいけませんよ」とか言ってたけど、すごく悪い顔で笑っていた。

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しあ(プロフ) - 雪華さん» コメントありがとうございます。最近ですと呪術廻戦ですかね。 (2021年3月5日 21時) (レス) id: 46cd819be0 (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - 高評価しました!知ってるアニメは何ですか? (2021年3月5日 21時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しあ | 作成日時:2021年2月28日 20時

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