鈍色の後悔 (ページ4)

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血色の懺悔 3 ページ4

どのくらいそうして居たのだろうか

私はふと、微かに感じた気配に目を覚ました
遠くの気配も察知出来るのは、私の数少ない長所で、唯一姉様や兄様にも負けない所だった

眠気は一瞬で飛んでいた
隣で眠る姉様を起こしてから
様子を見てくる、と言ってその二つの気配に近付く

もしも、私の読みが当たって居るのなら、この気配の一つは……
頭にひとりの面影を宿して、足音を殺して近づき、見る

「……兄様っ！！」
そこまで大きな声では無かったのに、静けさの残る朝の空気に、その声は大きく響いてしまった
「A…少し静かにしろ。」
「ご、ごめんなさい兄様。つい…」
申し訳なくて俯くと、兄様は頭を撫でてくれた
「よく生きていたな。」
そう言って

何故か、兄様の服は真っ黒なコートに変わっていて
不思議な事に血の匂いは薄く、代わりに銃を撃ったときの匂いがした
でもそんな事よりも、その手が暖かくて、ずっとこのままでいたくて

でも、私の感じたもう一つの気配の主
それが、兄様の近くに、すぐ後ろに存在する事が見えたから

名残惜しいけど兄様の手の中をすり抜けて

「貴方は……誰……」

全身を包帯に包み
全身で殺気を向けて、睨みつけても
飄々として笑っている

その不気味な男に向けて

『異能力歯車』

異能を発動した

確かに、確実に
殺す為に