回想 6 ページ8
さて、探偵社を飛び出したは良いけれど…
どうしようかな?
私と同じ身長なんて、そうそう居ないしな。
あ、良い方法思いついた!
私は近くの自販機にもたれ、手に地図を広げた
『異能力 武蔵野』
ぶわり、と意識が引っ張られ、目を閉じると見える景色が一変した。目は閉じてるのに見える、なんて本当はおかしいんだけどね。流石に慣れたけど
眼下に烏が飛んでいる、時々雲が流れ視界が途切れた
うん、ちょっとあげすぎたね
微調整をして、私のいる場所の近くにピントを合わせる
私と似たような身長の女性を探して、その人の着ている服を、さりげなーく観察する作戦だ
スーツ、ミニスカ、ジーパン
様々な服装の人が流れて行く中で、私はとある人物を見つけた
異能力の関係上、動体視力には自信がある
…あんまり話した事ないけど、あの人なら身長も近いしいい見本になるんじゃないかな?
よし、話しかけるか
目を開くと同時に、見えていた景色がブラックアウトする
何度か瞬きを繰り返すと、いつも通りの視点に戻ったのが分かった
視界が安定すると同時に、私は先程見つけた女性に近づいていった
「すみません!あの、そこの女性の方!」
とんとん、と軽く肩を叩き声をかけると。女性が振り向く
やっぱこの人美人だなぁ…羨ましい
「えっ?!」
気持ちが横道に逸れていると、私に気づいた女性が驚きに似た声を上げた
「あ、どうもこんにちは。しばらくぶりですね。」
年上の方には礼儀正しく、大人しく
背筋を伸ばして会釈する
第一印象は大事だから、出来るだけ丁寧な口調で
「少しだけ、話を聞いていただけませんかね?
……樋口さん。」
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作者名:木霊 | 作成日時:2018年9月16日 18時