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「なんだよ、キスの一つや二つくらい〜」
「うるさい。あんたもいい加減諦めて飲みなさいよ」
そう言って渡されたグラスに手をつけるが、不満たらたらのウィリアムはポツリと溢した。
「Aのケチんぼ…」
「しつこいわね〜。
もう、ケチでもなんでもどうぞ。キスするにしても私には理想ってものがあるの！
…そう、やっぱり…初めてのキスは好きな人とロマンチックなロケーションでしたいと思うのが乙女の理想なのよ…」
うっとりと語るAだが、その発言により、皆口に含んでいた酒を盛大に吹き出してしまい、辺りを汚す。
「うわッ！…ッひげさーん！！」
かろうじて、Aは巻き込まれずに済んだが、
今まで大人しくAが座っている椅子の足元で寝ていたひげさんが、寝るのに飽きたのか、お行儀悪くテーブルに跳びうつった瞬間に皆が噴出した酒をモロに被ってしまった。
「おま……」
「っちょ！！ひ、ひげさん大丈夫ッ？！」
未だ口からダラダラ溢してるナワーブが声を掛けようとするが、Aはそれどころではなかった。
毎日ブラッシングしていたツヤツヤの毛並みは今じゃその面影もなく、ずぶ濡れになった上に酒臭くなってしまったのだから。
「ひげさん、お労しい姿になってしまって……
ごめん、私抜けるね！ひげさんお風呂に入れなくちゃっ！」
いつも真顔のひげさんの表情も心なしか暗くなっていたが、『お風呂』の言葉を聞くやいなや、飼い主に似たのか途端に機嫌が良くなり、Aは自分で置いていった爆弾発言も処理せずに、ひげさんを抱えて浴場までダッシュで行ってしまった。
一方、取り残される形となった男性陣は、しばし動けずにいた。
「…Aさんとこのひげさんはお風呂が好きなんですね」
「いや、イソップ。そこじゃねぇだろ…」
ナワーブの的確なツッコミに一同頷くが、Aが放った爆弾発言は皆の酔いを一気に覚めさせる程の威力だった。
「……あんだけ語っておいて、初めてって……
ということは…Aって…処ッ…ングッ？！」
ウィリアムが何かを口走ろうとするやいなや、その口を勢いよく手で塞いだイライ。
余計なことを喋るなと言わんばかりに殺気のオーラが漂っているかに思われる。
そんなイライの行動にアダルト組のカート、カヴィン、セルヴェは瞬時に察し、彼を暖かい目で……否、にやついた顔で見守るのだった。
やはり、面白くなってきた…と。
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虚無僧(こむそう)(プロフ) - HIROさん» ご感想ありがとうございます！飛される時のイライ君の声が好きです。コメント本当にありがとうございました！やる気パワーが満ちてきます＼(^o^)／ (2019年6月23日 3時) (
レス) id: bf4e788763 (このIDを非表示/違反報告)
HIRO(プロフ) - すごい好きでした……！美智子さんが怒ってくれてイライくん飛ばすとことか最高です(_.ω.)_:∵ｸﾞﾊｯ!! (2019年6月22日 20時) (レス) id: 1744d7d8f6 (このIDを非表示/違反報告)
虚無僧(こむそう)(プロフ) - はるさめさん» 御感想ありがとうございます。久々の更新になりましたが、こうしてコメントをいただけると、書いて良かったと報われます( ；∀；)ありがとうございました！ (2019年6月11日 15時) (レス) id: bf4e788763 (このIDを非表示/違反報告)
はるさめ(プロフ) - 最高でした...！最初はどうのなるのかと思ったんですがラストのイライくんめちゃめちゃカッコよかったです...。ページを進めるのが楽しみでスラスラと読めました。とても好きです。 (2019年6月11日 1時) (レス) id: 8a587298f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：虚無僧(こむそう) | 作成日時：2019年6月11日 1時
