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聴診器を白衣のポケットに押し込み、原因がわからず、つい癖で眉間の皺を揉みほぐす。
「健康そのものだわ。ウィリアム、箱の中には衣装の他に何か入っていなかった？」
ウィリアムが箱を開け、中を探ってる間、声を掛けるのに後ろを振り向いた私をナワーブが抱き寄せ、首の匂いを嗅ぎ始めた。
特に気にすること無く好きなようにさせていた私の反応に、周囲がどよめく。
「なんかさっきから羨ましいな…」
「そういうプレイを見ているようだね。」
普段から変態発言するカヴィンが言うのはわかるけど、冒険家のカートさんまで
変な事を言うとは思わなかった。
「なにバカな事を言ってるの…。匂いを嗅いで、誰なのか判断してるだけよ。」
二人の発言に呆れながら諫めると、ウィリアムが小さなメモを見付けたみたいでこちらに渡してきた。
「…なるほど。」
「何て書いてるんだ？」
書かれている内容が気になり、皆覗き込もうとするが、後ろで威嚇し始めたナワーブに少し腰が引けている。
「ナワーブ、良い子だからお行儀よくね。」
メモから目を離さず、後ろに手を回し、優しくナワーブの頬に触れ、撫でてあげると唸り声はピタリと止んだ。
「やっぱりこの衣装が原因ね。【感染】だって。」
「感染ッ！？」
「あぁ、安心してトレイシー。今はまだ着なれていないだけで、そのうち意識もハッキリしてくる筈よ。」
仲間思いの彼女を安心させる。
「……なぁ、A…。ナワーブは、その…意識がハッキリするって時に今の記憶を覚えているのか？」
何か心配事でもあるのだろうか、ウィリアムが訊いてくる。
でも、流石に私もそこまではわからない。
「どうだろう。まぁ、その時になったら本人に聞いてみなさい。」
少し投げやりな応えになってしまったが、
それもそうか。
と納得したようだ。
「とりあえず、解決ってことで良いかしら？晩御飯まで少し寝てきてもいい？それまで、誰かナワーブと遊んであげて。」
皆も原因がわかって安心したようで、食堂を出て行く人、お茶を淹れにいく人と様々に解散していった。
トレイシーとウィリアムとエマは、ナワーブとボール遊びをすると言って、庭園に向かった。
外は雨が降っているから、屋根のある庭園を選択したのだろうが…、
花壇が荒らされなければ良いけどね…。
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水沢 - 大好きです最高です読めてよかった……！！ (2021年9月7日 5時) (
レス) id: 1b77a7129b (このIDを非表示/違反報告)
虚無僧(こむそう)(プロフ) - タウリンさん» そう言っていただけると、励みになります( ；∀；)ありがとうございます (2019年4月10日 21時) (レス) id: bf4e788763 (このIDを非表示/違反報告)
タウリン - 好きです…… (2019年4月10日 16時) (レス) id: 605dc12735 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：虚無僧(こむそう) | 作成日時：2019年3月15日 1時
