私はとても幸せです ページ38
「え？チャンミン？」
突然の事にびっくりして
暗闇をキョロキョロしていると
キッチンの中
ポゥ...とロウソクの灯りに照らされ
浮かび上がるアイツの顔が見えた
もしかして
「Happy Barthday to you...
Happy Barthday to you...」
やっぱり...
アイツがバースデーソングを口ずさみながら
小さなホールのケーキを手にこっちへやって来た
「・・・Happy Barthday to you」
歌い終わると同時に
目の前に置かれたケーキ
その上には
「Happy Barthday to A」
メッセージプレートを持った
小さな可愛いくまがのっていた
「可愛い...」
嬉しくて幸せで
胸がいっぱいだった
「Aさん...
一日経っちゃったけど、今日も言わせて？」
アイツが私の隣に座って
ケーキを見つめる私の顔を横から覗きこんだ
「A、誕生日おめでとう」
その直後
アイツはふわっ...と優しく微笑んだ
チャンミン...
「ほら、泣かないで？」
零れる涙をそっと拭いながら
「ロウソク消して？」
優しい声でそう言うアイツ
「チャンミンも一緒にっ...」
「一緒に？」
「だってロウソクが２本だから」
...フッ(笑)
それを聞いて
眉毛を下げて笑ったアイツと一緒に
ふぅ...
ロウソクを消した
再び暗くなる部屋
でもすぐに明るくなり
「チャンミン、ありがとう」
アイツの方へ振り返った私に差し出された
白い花の小さなブーケ
「チャンミン、これ...」
おずおずとそれを受け取る私にアイツが言った
「この花は何か知ってますか？」
この花は確か...
「クチナシ？」
「そうです。じゃあ花言葉は？」
わからなくて首を横に振った
「花言葉は"私はとても幸せです"」
「私はとても幸せです？」
「そうです、僕の気持ちです。
もう何度も言ってますけど、僕はAさんと出会えてこうして一緒にいる事ができて、本当に幸せです」
チャンミン...
嬉しくてじっとなんかしていられなくて
目の前に立っているアイツの胸に飛び込んだ
「私も幸せだよ」
ちゅっ...
「Aさん...」
ちゅっ...
溢れる想いを伝えたくて
「Aさん...」
ちゅっ...
「A...」
何度も何度も
アイツの頬に、鼻に、瞼に、唇にキスをした
その度にアイツは
嬉しそうに私の名前を呼んだ
その夜食べたカレーは
今までで一番美味しかった
なぜって隠し味に
「僕の愛」が入っていたから
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作者名：ami
| 作成日時：2013年7月19日 13時
