お決まりのセリフ(夏バージョン) ページ4
「どうしよう...」
今私は、ゲストルームのドアの前で
一人頭を抱えている
なぜならアイツが
「もういいです！
今日はこっちの部屋で寝ますからっ！」
そう言ってゲストルームに
閉じ籠ってしまったから
事の発端は数時間前
早番で上がり
夕飯の準備をしている時に掛かってきた
あやからの電話
「もしもしA？明日休みだよね？
突然だけど、同期の皆...って言っても参加できる人だけなんだけど、その皆で海に行こうかって話になってるんだけどAもどう？」
え？海？
「行きたい！」
「そう言うと思った(笑)
A好きだもんね、海。それで悪いんだけど車を出して欲しいんだけど平気？」
「全然いいよ！」
海に行けるなら(笑)
「じゃあ、細かい事はまたメールするから」
「わかった、よろしく〜」
そう言ってルンルンで電話を切ったところで
「ただいま〜」
アイツが帰ってきた
・・・ヤバイ
完全に忘れてたアイツの事
どうしよう...
アイツに言ったら
機嫌が悪くなるのは目に見えているし
なぜって、毎年海水浴に行く私に
アイツが言うお決まりのセリフがあるから
それは
「水着で歩くなんて下着で外をウロウロしてるようなものです。Aさんが...考えただけでもゾッとします」
...ってヤツ
はぁ...
いつものように
何とかアイツを説得するしかないか
でもどうやって？
そんな
なかなかアイツに明日の事を切り出せずにいたら
あっという間に寝る時間になってしまった
どうしよう...
悶々としながら先にベッドに横になっていると
でもしっかり明日の支度はしたんだけどね
アイツがお風呂に入っている隙に
「Aさん、明日は二人とも休みだから
今夜は久しぶりにゆっくり...」
アイツが甘えた声を出しながら
ベッドに入ってきた
どうしよう...
でももう言うなら今しかない
「ねぇチャンミン、明日なんだけど
さっき電話であやに誘われて海に行く事になったんだ...」
...ピタッ！
私の言葉に
私のパジャマのボタンを外していたアイツの手が
止まった
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作者名：ami
| 作成日時：2013年7月19日 13時
