モデルなアイツ1 ページ2
次の日
「チャンミン、今日は頑張ってね(笑)」
「はい！(笑)」
笑顔でアイツを見送った後
貴重なアイツのモデル姿に
期待と若干の不安を胸に、ホテルへと足を運んだ
結婚式の披露宴仕様にセッティングされた
会場に入ると
既に多くのお客さんで賑わっていて
私はステージがよく見えて
それでいて邪魔にならない場所に立って(一応従業員だしね)
始まるのを待つ事にした
「...あれ？竹内さんじゃない」
しばらくすると
ブライダルの杉山さんに声を掛けられた
「杉山さん、お疲れ様です」
「お疲れ様。なに？竹内さん
今日休みなのにわざわざ見に来たの？」
ギクリ・・・
「あっそうか、あなた婚約してるんだったわね。それで興味があって来たのね(笑)」
「...はい、そうなんです」
・・・ほっ、よかった
アブナイ、アブナイ
ほっと胸を撫で下ろす
「皆様本日は・・・」
すると開始を告げるアナウンスが流れ
一斉に会場の照明が落とされた
薄暗い会場内
少しだけドキドキしながらステージに集中
やがて聞こえてきた軽快な音楽と共に現れたのは
鮮やかなカラードレスを着たモデル達(従業員)
ライトアップされたステージの花道を
ドレスが映えるようにゆっくり歩き
ターンをして戻っていく
緊張しているのか
その顔は若干強ばっているように見える
...あっ、同期のまゆみだ
まゆみはドレスを着れるからって
この日を楽しみにしていた一人
なかなか様になってるじゃん
「ふふ(笑)」
「皆やっぱり緊張してるわね...」
隣で杉山さんが呟いた
確かに...
まゆみが舞台裏に消えると曲が変わり
今度は純白のウェディングドレスを着たモデルが
出てきた
カラードレスも華やかでいいけど
やっぱりウェディングドレスといえば白だよね
そんな事を考えながら舞台を見ていると
「始まってから大分経っちゃってるよね」
「シム君はもう出ちゃったかな」
昨日の女子社員が制服姿で会場に入ってきた
「あっ！シム君ですよ」
その声に慌てて舞台に目を向ける
するとそこには
全身にライトを浴びたアイツが立っていた
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作者名：ami
| 作成日時：2013年7月19日 13時
