今はどこに行っても ページ22
アイツとあんな別れ方をして一晩が過ぎ
今日はこれから
みなと一緒に夕飯を食べに行く
私達の事を心配した皆を代表して
みなから誘ってくれた
.
仕事終わりに降り立った、お店の最寄り駅
初めて利用する駅に
少しだけ居心地の悪さを感じなから
ロータリーの隅へ移動した
...ホッ
その瞬間、確かに胸がホッとして
気分が落ちているからなのか
こんな隅っこが安心するから不思議
待ち合わせの18時まではあと10分程で
平日の駅前を忙しなく行き交う人々を
ただボーッと眺めていた
そんな中、時折目につくのは
明後日に迫るクリスマスに贈るであろう
明らかにプレゼントだとわかる袋を掲げた人達
付き合って4度目となる今年のクリスマスは
プレゼントにお揃いのスニーカーを用意した
もちろんペアルックなんてするつもりはないけど
お揃いじゃないと
アイツがムクレてしまう可能性があるから
...でも、そんな必要なかったかな
こんな心境では
一緒にクリスマスなんて迎えられそうもないから
「はぁ...」
昨夜から、もう何度目かわからないため息が
口をついて出た時
「あ、そーいえば見た？あの写真。
やっぱあの二人デマだったね」
「ねー！」
周囲より明らかに目立つ派手な女子高生二人組が
私の隣、空いてるスペースを陣取った
話の内容から
何となく嫌な予感はしてたけど...
「アキも友人発言してたし、やっぱ本命はアッチ？」
間違いなくそれはアイツの話題で
昨夜撮られた抱き合う私達の写真は
案の定どこかのサイトにupされたらしく
職場のミーハーな女子社員の間でも
こうして話題になっているのを度々耳にした
「・・・・」
...ホントに
今はどこに行ってもこの話ばかりで
もう...本気でイヤになる
項垂れるように俯いた
どうせこの後は
アキさんと比べるかなんかして
いかに私がアイツに不釣り合いなのかを
話題にするんでしょ...？
二人の会話に
そっと耳を傾ける自分がいた
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作者名：ami
| 作成日時：2016年3月21日 17時
