鏡張りの部屋5(オマケ) ページ32
「ねぇ、チャンミン...」
「んー？」
「セラ、さんとは...
その後どうなったの？」
アイツに(しつこく)おねだりされて
やむなく一緒に入ったお風呂上がり
ふと気になって聞いてみた
「セラとは...
ちゃんと話しましたよ？」
ベッドに腰かけ
軽く髪をタオルドライしていた私を
脱衣場から出てきたアイツが
同じくバスタオルで
髪をワシャワシャと拭いていた手を止め見つめる
「そうなんだ...」
「ごめんて謝られると辛いって言われたから
ありがとうって伝えました」
「ありがとう...」
「はい...一緒にいてくれて"ありがとう"と
Aさんのホントの気持ちに気付かせてくれて"ありがとう"」
「私の...ホントの気持ち？」
「はい。大介の言葉に囚われてAさんの気持ちを見失っていた僕に、Aさんの気持ちがどこにあるのか教えてくれたのはセラなんです...だから、ありがとうって」
「...そうだったんだ」
二人の間に
どんなやり取りがあったのか知らないし
こうしてアイツと二人でいられるのは
間違いなくセラさんのお陰でもあるのに
「...セラ、か」
アイツが親しげに名前を呼び捨てにしている事に
キュッと胸が苦しくなる
「・・・・」
「はぁ...」
やだな...
何だかどんどん心が狭くなってくみたい
「Aさん...」
「んー？」
「それって...
ヤキモチ、ですか？」
「えっ！いやっ、あの・・・」
ピシャリと心の中を言い当てられて軽く動揺
「やっぱりヤキモチだぁ！」
ぱぁっ...！(笑)
そんな私を見て
一瞬で花が咲いたような笑顔になったアイツ
「Aさんっ！」
ばふぅんっ...！！
バスタオルを投げ捨て
勢いよくベッドにダイブしてきた
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作者名：ami
| 作成日時：2015年11月10日 12時
