アイツの日記帳1 ページ22
「ハァハァ...ハァ///」
「フーッ...ふふっ、可愛かった(笑)」
アイツのシャツの中で
もう何度目かわからない波を迎えて
息を荒くする私にアイツがそう言った
汗で濡れた前髪を掻き上げ
ちゅっ...
おでこに優しいキスを落として
「はぁ...ホントに可愛い」
アイツはそう繰り返す
誰もが使う、至って普通の言葉
「可愛い」
男なら誰でも
意中の相手にそう言うのかと思っていたら
「え、大介はそんな事ほとんど言わないわよ。前の彼だって滅多に言わなかったけど？」
みなにハッキリそう言われた
どうやら「可愛い」を連発するのは
アイツの癖らしい
「もう...なんでこんなに可愛いの？」
ほらね？今も
キラキラとした瞳で
抱き締めた私の事、上から見下ろしている
「はぁ...こんなに可愛い生き物
今まで見たことない」
・・・は？生き物？
いくら男のロマンを着込んでるからって
そんな大げさな(その通り)
「もうこれは日記に書いとかなくちゃ...ブツブツ」
え？日記？日記って...
「そんなもの書いてるの？」
「はい」
まるで珍しい生き物でも
見るかのような眼差しを向ける私を(失礼なヤツ)
「...？？」
アイツがキョトンとした顔で見下ろした
何？その顔...可愛い
・・・じゃなくて、知らなかった
アイツが日記を書いてるなんて(そりゃそうでしょ)
「毎日じゃないですけど
特に思い出に残った日は書いてますよ？」
特に思い出に残る日...
確かにこのシャツのせいで
ここ最近で一番激しかったかも...///
「...？？」
さっきまで男らしく私を抱いていたのに
不思議そうに私を見つめる瞳は
まるで子供のように純粋
だからこのギャップに、弱いんだよね
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作者名：ami
| 作成日時：2015年6月27日 10時
