天性のもの ページ16
「A...」
ソファに両手を着いたまま
瞼から鼻先、そして私の唇に
繰り返し優しいキスを落とすアイツ
この体勢ってヤバイ...
逞しい腕に囲われて落とされるキスは
いつにも増してアイツに男を感じさせて
すごく、ドキドキする
そんな胸の高鳴りを感じながら
少し深くなったキスに応えるため
アイツのシャツの胸元を掴むと
ふんわり頬を包まれる感触と共に唇を離された
「ここに...キスしてた」
すぐにそう言うアイツの声が聞こえて
閉じていた目を開けると
斉藤さんがキスした左頬を
じっと見つめるアイツが見えた
「僕のものなのに...」
確かめるように
繰り返し私の頬を撫でるアイツの親指
独占欲丸出しの
しかも自分の事は棚に上げた
どこまでも自分勝手なセリフなのに
きゅうっと胸を鷲掴みにされる
...これってもう、天性のものなのかな
私の頬を
切なそうに見つめるアイツの顔を見ながら
そんな事を考えていたら
カプッ...
「...え」
突然ほっぺを......食べられた！？
カプッ！？
ハムハム...
ハムハム！？
「ちょっ...！」
何！？いきなり！
突然頬に、優しくだけど噛みつかれた上に
そのまま唇でハムハムと甘噛みしてくるから
くすぐったくて仕方なくて
「ちょっ、チャンミンやめてっ...(笑)」
掴んでいたアイツの胸元を軽く押し
逃げるように顔を逸らした
「ダーメッ！」
でもすぐにその手を
グイッ！とソファに押し付けられ
しつこくしつこく、何度もハムハムされる
あ〜、もうダメッ！
流石に我慢も限界にきた頃
「はぁ...可愛い」
気が済んだのか
ようやくアイツが唇を離した
ホッ...としたのも束の間
「ホントにもう、食べちゃいたい...」
「えっ...」
食べる...？
「食べていい？」
・・・って、そんな小首を傾げて言われても
「てゆうか食べるっ！」
「え、えっ...！？」
突然アイツに火がつき慌てる私
「おいでっ！」
そんな私を、アイツは素早く抱き抱えると
風のように自分の部屋に入っていった
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作者名：ami
| 作成日時：2015年6月27日 10時
