他のヤツならまだしも ページ24
「何だかすみませんでした...」
「いいよ、気にしないで」
せっかくの好意を
無駄にしてしまった事が申し訳なくて
車を降りて何度も頭を下げる私に
斉藤さんは優しく微笑んだ
その微笑みに
胸がチクンと痛むけど仕方ない
全部私のせい
ちゃんと受け止めなくては
「じゃあ、本当にありがとうございました」
最後に、深々と頭を下げて斉藤さんと別れた
アパートの階段を駆け上がり
部屋に入るなりすぐにアイツの家に電話を掛けた
RRR...
「もしもし」
数回コールが鳴った後
電話に出たのは、やっぱり隼人だった
「あ、隼人？ごめんね。
今帰ってきたんだ、チャンミンはまだ部屋？」
「ああ、部屋だよ？
さっきまで騒いでたんだけど急に静かになって、今はベッドの上で項垂れてるよ」
「そうなんだ...」
「うん」
「はぁ...」
ため息をつきながら
私もベッドの上に座り込んだ
「なぁ、ちぃ。
一体何があったの？」
「あ、そうだよね、ごめん...」
私は事の経緯を説明し
例の写真を隼人に送った
「わぁ...確かにこの写真はヤバイな」
やっぱり？
「他のヤツならまだしも、未だに俺にヤキモチ焼くようなヤツだからなアイツは...。こんなの見せられて・・・あ、ごめん」
「ううん...」
「いてもたってもいられなくなったんだろうな」
「...うん」
「なぁ、ちぃ...」
「うん？」
「この電話アイツに渡してもいい？」
「...うん、私もそのつもりだったし」
そうは言っても
少しだけ不安を感じている気持ちが伝わったのか
「今は落ち着いてるし
何かあったら俺がいるから大丈夫だよ」
隼人はそう言ってくれた
「うん、ありがとう...」
ほどなくして
コンコン...
「開けるよ？」
そう言った声と共に
アイツの部屋のドアを開ける音がして
「ちぃから電話」
電話がアイツの手に渡った事が分かった
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作者名：ami
| 作成日時：2015年3月28日 22時
