全部私のせい ページ23
「どうした？やっぱどっかぶつけた？」
私の叫び声を聞いて
直ぐ様斉藤さんがそう聞いてきた
「...いえ、大丈夫です」
「そ？」
「はい」
どっかぶつけた方が
まだマシだと思いながら返事をする
アイツの反応が恐ろしい
私はビクビクしながらケータイが鳴るのを待った
・・・でも、アレ？
いくら待ってもケータイが鳴らない
不思議に思っていたら
ブーブーッ
遂にケータイが震えた
恐る恐る確認すると...
ん？隼人？
ディスプレイにはアイツじゃなくて隼人の名前が
何だろう...
「すみません
友達からなんですけどいいですか？」
「いいよ」
斉藤さんに一言断ってから電話に出た
「もしもし？」
「あっ、ちぃ？」
「うん、どーしたの？」
「いや、どーしたのじゃなくて
アイツが大変なんだけど」
「えっ？」
「あっ、待てチャンミン！！」
電話の向こうから隼人の叫び声と
ドスドスと歩くような音が聞こえる
「隼人！？」
「ちょっ、ごめん！
後で掛け直すっ！」
突然電話が切れた
「どーしたの？何か問題？」
「いや、よくわからないんですけど...」
切れたケータイを見つめる
アイツは隼人と一緒にいるって、事だよね？
しばらくして
ブーブーッ
再び隼人から着信が
「もしもし？隼人？何があったの？」
「いや、さっき借りてたゲームを返しにここに来たら、アイツがわけわかんない事言いながら出てきて」
「わけわかんない事って？」
「ふざけんな、恋人の...聖地？
斉藤触るな、とかなんとか」
うわぁ...
「アイツがキレる事って滅多にないけど
キレたら手に追えないからさ」
「そうなんだ...」
確かに、アイツが本気でキレたら
相当ヤバそうな気がする...
「だから今、アイツを部屋に閉じ込めてる」
「えっ？閉じ込めてる？」
「あぁ。すごい形相で家を出てこうとしてたから」
だから叫んでたんだ
「ごめんね隼人...それ全部、私のせい」
「だと思ったよ」
「え？」
「だからちぃに電話したんだし」
「そっか...ごめんね、隼人。
今ちょっと出てて、詳しい事はまた後で話すから今は頼んじゃっていいかな？」
「ああ、大丈夫だよ」
「ありがとう。
じゃあ、また後で」
pi...
「大丈夫？今日はもう帰る？」
電話を切ると
すぐに斎藤さんにそう聞かれて
このまま案内して貰っても
頭に入ってこなそうだったから
「はい、すみません...」
今日はもう帰る事にした
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作者名：ami
| 作成日時：2015年3月28日 22時
