どんなに願っても ページ33
こんな事をして
やっぱり僕って、ホント子供っぽい
自分でもイヤになるほどわかってる
だけど自分の中に渦巻く感情を
どうしても止める事ができない
あの映画館で
隼人がAさんとデートした事は知っている
隼人が初めてAさんと手を繋いだと
嬉しそうにしていた顔も覚えている
今更嫉妬したってどうにもならないのに
あの時の隼人の幸せそうな顔を思い出すと
悔しくて悔しくて堪らない
「ねぇ、チャンミン」
あの頃、こんな風にAさんが呼んだのは
僕じゃなくて隼人
「せっかく二人でいるのに時間が勿体ないよ？」
あの頃、Aさんと二人きりの時間を
過ごしていたのは僕じゃなくて隼人
「チャンミン...」
こんな風にAさんが
その温かい腕の中に抱き寄せたのも
僕じゃなくて隼人
あの頃Aさんが好きだったのは
僕じゃなくて...
どんなに願っても
決してそれは変わらない
僕じゃ...ないんだ
ちゅっ...
今夜はおかしい
Aさんが僕にキスをしてくれて
すごく幸せなのに
もっとして欲しい
心からそう思っているのに
ちゅっ...
柔らかい唇が触れる度に
隼人にもしたんでしょ？
醜い嫉妬が素直な心を蝕んでいく
どうすれば僕だけのものになる？
どうすればAさんの全てを
手にする事ができる？
Aさんの未来だけじゃなくて
過ぎてしまった過去さえも
その全てを僕のものにしたいだなんて
ホントどうかしてる
「チャンミン...？」
見上げる僕を映すAさんの瞳
その綺麗な瞳を
永遠に独り占めしたい
ねぇ、Aさん
Aさんが好きすぎて
もう僕は頭がおかしくなりそうだよ
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作者名：ami
| 作成日時：2014年3月21日 0時
