かわいいアイツ ☆Changmin☆可愛い彼は大学生2 (ページ28)

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僕と同じページ28

宣言通り

時間が許す限りAさんを離さなかった僕

「行こっか？」

「ちょっと待って
最後にもう一回...」

「え...」

ちゅっ...

「ふふっ(笑)
行きましょうか」

玄関でキスをして

幸せな気分のまま家を出た

だけど一人になった途端

零れるため息

「はぁ...」

最近は通うのが楽しくなっていた大学が

今日は少しだけ憂鬱

ため息をつきながら大学の門をくぐると

「おはようシム君」

ため息の原因、一之瀬さんが

いつもと変わらない様子で声を掛けてきた

「熱、もう下がったんだ」

昨日の今日なのに

どうして何事もなかったように

話し掛けられるんだろう

一之瀬さんがホントは僕の同級生だったと

昨夜Aさんから聞いた

「どうしたの？」

何も答えない僕に

不思議そうな顔をする一之瀬さん

どうしたの？って

「あの、一之瀬さん...話があるんだけど」

「うん、私もシム君に言いたい事があるの」

そう言うと一之瀬さんは急に立ち止まり

真っ直ぐ僕の方を向いた

「私、シム君の事が好きなんだ」

こんな場所でいきなりの告白

「シム君は私の初恋の人。他の誰かを好きになってもいつも心の片隅にシム君がいた。だから彼女がいるってわかってもどうしてもシム君を振り向かせたくて...」

そこまで言うと

一之瀬さんは言葉に詰まった

「それで？」

「...それで、嘘をついたの」

そうだよね

「うん、知ってる」

「竹内さんから聞いた？」

「うん...」

嘘だと知った時はショックだった

「ごめんね、嘘ついて...」

だけど

「謝らなくていいよ」

「え...」

「だってわかるから僕も、一之瀬さんの気持ち」

「...わかるって？」

その時、今まで普段通りだった一之瀬さんの声が

少しだけ震えた気がした

「どうしても諦められない気持ち...」

きっと僕と同じ

僕がAさんを想う気持ちと

きっと同じ

「嘘をつくのはよくないけど、どんな事をしてでも相手の気持ちを手に入れたい...そう思ってしまう気持ち、わかるから」

一之瀬さんさんは何も言わなかったけど

僕を見つめる綺麗な瞳が

微かに揺れているのがわかった

「でも僕は一之瀬さんの気持ちに応える事はできない。僕が好きなのはこの先もずっとAさんだけだから...ごめんね？」

「・・・・」

「それで...
もう友達には戻れないかもしれないけど」

僕は鞄から

彼女に渡そうと持ってきた物を取り出した