キャンパスデート12 ページ26
ズルズルと私の手を引き
門のところまでやって来たアイツ
「ふぅ...ここまでくれば大丈夫ですね」
・・・って、私の心の恋人豊を
何だと思っているのか
「ねぇ、チャンミン。
何もそんな態度とらなくても...これからお世話になるサークルの先輩なのに」
「だって、Aさんと二人きりになるんですよ？そんなの耐えられません！しかもAさんの大好きな・・・」
そこまで言うと
アイツは急に口をつぐんだ
「チャンミン？」
「何だか...」
何だか？
「悔しくなってきた」
...は？
「ねぇAさん...」
私を呼ぶアイツの声色が変わった
少しだけ囁くような、低い声
何だかイヤな予感
「...なに？」
「Aさんが好きなのは...僕ですよね？」
アイツの目付きがヤバイ
私を抱いている時のような
妖しい視線で私の事見つめてる
「ねぇ...答えてよ」
だからどうしてそんな目で見るの？
こんな所で
ドキドキするじゃん
「そ、そうだよ...？」
「だったら...」
だったら...？
「キスして？」
・・・はい？
「こ、ここで！？」
「そうですよ...」
完全に変なスイッチが入ってしまったアイツは
「...ムリ、だよ」
そう言いながら後退りする私に
「どうしてムリなの？」
ジリジリと詰め寄った
「だって...」
「だって？」
「外だし...」
そう答えた所で
私の右足がトンッ！と門にぶつかり
これ以上逃げられなくなった
・・・ヤバイ
目の前に迫る
アイツの色っぽい顔
キスされる...！
そう思った時だった
始業を知らせるチャイムが鳴り
アイツの動きがピタッ！と止まった
「「・・・・」」
見つめ合いしばし沈黙
すると突然、我に返った様子のアイツが
「...ハッ！ヤバイ！
あの教授、遅れていくと出席扱いしてくれないんだった！」
そう言って慌て出した
「・・・・」
「じゃあAさん、そういう事なんで僕は行きますけど、駅前のカフェで待ってて下さい！」
私の返事も聞かず
バタバタと走り去るアイツ
駅前のカフェってどこよ？
何なの一体？
・・・と思っていたら
「え？」
呆然と佇む私の元へ
再びアイツが戻って来て
ちゅっ！と唇にキスを落とし
「！！！」
「大好き！(笑)」
それだけ言って校舎の中へ消えて行った
「・・・・」
何だかよくわからないけど
「...ふふっ(笑)」
幸せだから
まぁ、いっか...(笑)
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作者名：ami
| 作成日時：2014年2月1日 23時
