負けたくない8 ページ16
私がいないと生きていけない
アイツは以前も私に
"私に嫌われたら生きていけない"
そう言った
だったら...
だったら何で
気持ちが離れて行くような事をするの？
ひとしきり泣いて
今までずっとモヤモヤしていた心が
少しだけスッキリした
アイツも時折しゃっくりを上げているけど
だいぶ落ち着いてきたみたい
依然としてきつく私を抱き締めたままだけど
「ねぇ、チャンミン...
どこにも行かないからちゃんと話をしよう」
「ホント...ぃっく、に？」
「うん」
私に跨がったままゆっくり体を離したアイツは
私の足の上に腰を下ろした
私が逃げないか不安なのか
グッと体重をかけてくる
そんなアイツの俯いた頬には
涙の跡が、たくさん...
それを見ただけで
きゅうっとなる私の心
堪らなくアイツが好きなんだと
想い知らされる瞬間
どんなにアイツがズルくても
私はアイツの事が
どうしようもなく好きなんだ
でもだからこそ
今回は許せない事は許せないと
自分の気持ちに負けないではっきり言わないと
「ねぇ、チャンミン
あの夜私がどんな気持ちだったかわかる？」
俯いたまま
コクンと小さく頷くアイツ
「結愛が初めて熱を出して、ただでさえ不安でチャンミンに側にいて欲しかったのに...
どうして他の女性の家に...それも噂のあった
「...ごめんなさい」
「もし私が同じ事をしたら
チャンミンはどう思うの？」
「...耐えられない...ひっく...
考えただけでも...頭がおかしくなる」
アイツは俯いたままそう答えた
「私だって同じ」
「...え」
ずっと下を向いていたアイツが
ようやく顔を上げた
「考えただけでも頭がおかしくなりそうなのを...必死に気持ちを切り替えて、しっかりしなくちゃって何度も自分に言い聞かせてた...」
あの時の気持ちを思い出して
我慢できずに涙が零れた
「だって、私は結愛の母親だから...」
あの夜ホントは
嫉妬と不安で押し潰されそうだった
「ねぇ、チャンミン
昔から母は強しって言うけど、ホントは強くなんかない...」
だけど私は母親だから
「守るべきものがあるから...」
結愛を守れるのは私だけだったから
「だから必死にっ...
必死に自分を奮い立たせてるだけなんだよっ...！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 474人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東方神起」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ami
| 作成日時：2013年11月15日 8時
