貴殿こそが獅子 ページ2
「A〜」
「どうしたんだラギー」
「そろそろレオナさんに洗濯物出すように行って欲しいっス...」
ラギーの顔色が悪い。
此れは相当溜め込んでるな。
彼奴は...
「すまないラギー。
私からよく言っておく」
此れでもう何回目なのだろうか。
「レオナ」
「何だ」
「ラギーがそろそろ洗濯物を出して欲しいそうだ。
足の踏み場もないほどに散らかされるのは流石に困る」
「・・・分かったよ」
「・・・此れはまた随分と溜め込んだな。
まぁ良い。
チェカ様から手紙が届いていた。
唯一空いている机の上に置いておく」
「チッ...
またかよ」
「姐さん！！」
「何だ」
「２年生のセオルとミシャロが乱闘騒ぎを起こしはじめました！！」
・・・セオルとミシャロか。
セオルがサイ、ミシャロがゴリラの獣人。
サバナクローでもかなり手練れに入る寮生だな。
「今行く」
「お願いします！！！！
失礼しやした！！！！」
血の気が盛んだな彼奴ら。
さて、喧嘩を止めるとするか。
原因は一体何だ？
「テメェよくも俺のからあげクン食ったな！！！！」
「ざっけんな俺はファミチキ派だ！！！！
まぁ美味しくいただいたがな！！！！」
「ﾑｯｷｨｨｨｨｨｨｨ！！！！！！！！」
そろそろだな。
原因は食欲が群を抜いて旺盛なサバナクロー寮によくある。
食料の奪い合いだ。
「頭を冷やせ。
しかもお前らは基本的に草食だろうが」
瞬き１つのうちに獣人２人を床に沈めたのはA。
２人の丁度真ん中まで跳躍し空中で体を捻って双方に踵蹴りを喰らわせのだ。
それでいて軽やかに着地するのは流石王族に仕える実力者と言うべきか。
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作者名：奈雪 | 作成日時：2020年9月28日 20時
