偶然か必然か【相澤消太】 (ページ9)

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嫌われてる？ページ9

「はぁー、まずなんだ、何で私をしってるのか。それは職業柄、高校時代に目立つ生徒がいると噂はよく回ってくる。お前は期待の星だなんだといろんなところでよく話が回ってきた。年は３０。名前は相澤消太だ。質問には答えた。もういいか。」

すごく。それはもう機械かのようにすらすらと答えて、だるそうにこちらを見てくる。そうか、士傑の時よくも悪くも目立ってたからな、私。それでしってたのか。でも職業柄って何だろう？ヒーローだから？まぁおかしくはないけど、、なんか違和感？この人周りに興味なさそうなのに。

そんなことを考えていたら、また帰ろうとするので急いで追いかけて引き止めようとした時、アスファルトのくぼみに足をひっかけ体制を崩す。

(あ、こけちゃう)

痛みを覚悟してぐっと目を瞑ったにもかかわらず、いつまで経っても痛くない。代わりに優しく暖かい何かに包まれた。

ゆっくり目を開けると、イレイザーが助けてくれたことに気づく。こんなに至近距離で男の人を見たのは初めてで、また顔に熱がこもる。月明かりに照らされた彼の目は、先ほどまでは違って少し輝いて見えた。まつ毛、長いな〜、鼻も高い。やっぱりよく見るとかっこいいかも、、

じっと見つめ過ぎた。目が合ってしまった。その途端私の心拍は異常なほどに上がったが、彼の方はと言うとすごく迷惑そうな顔をしていた。ああ、嫌われてるのかな。でも、なんだかんだ話してくれるし、助けてくれるから、もう少しこの人のこと知りたいな。

「お前、ほんとにヒーローか、鈍臭すぎる。はー、もういい。家どっちだ。話聞くついでに送ってやる。お前気が済むまで帰してくれなさそうだしな。降参だよ。」

そう言って、ふっと少し笑った。初めて見る彼の笑顔。あ、これはやばいかもしれない。

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