偶然か必然か【相澤消太】 (ページ8)

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再会ページ8

点滴が効いたのか、薬が効いたのか、その後の調子はずいぶん良くて午後の授業も無事に終えることができた。
授業が終わった後に、優里とは別れて図書室で休んだ分の復習をしていたらあっという間に夜になっていた。

スマホを見ると21:17という時刻が目に入り流石にやりすぎたと焦る。

「ん〜！さ、かえろ」

大学の図書室は22時まで空いているが流石にこの時間まで残っている人はおらず、ぐいっと腕を伸ばしてから誰もいない図書室を後にする。

今日は月がよく見えるから星はみえないな〜なんて見上げながら帰路を歩いていると誰かにぶつかる。

「あ、すみませ、、ってイレイザーヘッド！！！？」

目の前には、だるそうに眠そうに立つ彼がいた。イレイザーは私を見ると、一瞬目を見開き驚いた表情を見せたが、すぐに眠そうな表情に戻った。

「すみません。じゃ。」

まるで朝の出来事はなかったかのような反応である。

「え!?私のこと、忘れました??朝助けてもらったものです‼︎あ、今朝言ってたメシ、これからどうです？」

そう言ってグラスをくいっと上げるジェスチャーをすると、彼はすごく、それはすごく面倒臭そうな顔をした。

「すまんが、これからまだ仕事なんでね。また機会があれば。あと、こんな夜遅くに一人で出歩くのもどうかとおもうが。いくらヒーローでも、油断は禁物。気をつけて」

そう言って私の頭にポンと手を置くとそのまま通り過ぎて行った。男の子に免疫なんかない私には、たったそれだけでもフリーズするのには十分過ぎた。多分歳上、頭ぽん、そんでなんかいい匂いした。カァっと顔が赤くなっているのがわかる。
てかまって私プロだって言ったっけ？なんかもう聞きたいことだらけなんだけど、

「え！まってください！！！！何で私のこと知ってるんですか！？あと何歳ですか！？名前は？！」

すでに何メートルか離れた場所にいるイレイザーを呼び止める。イレイザーはガシガシと頭をかくと、はぁーとそれはもう深いため息をついてこちらへと戻ってきた。