偶然か必然か【相澤消太】 (ページ47)

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ありがた迷惑ページ47

相澤さんの背負い込んでいるものを一緒に背負うことはできないだろうけど、支えるくらいはしてあげたい。
してあげたい、なんてただのありがた迷惑でしかないんだろうな。

「相澤さん、きっと私の気持ちはあなたにとって迷惑ですよね。でもごめんなさい、私、諦め悪いので。迷惑だと言われても、毎日好きっていっちゃいます！」

ニコッと笑って相澤さんに改めて宣言する。
いきなりの宣言だった為、埋めていた顔を上げて目を丸くする相澤さん。

「いー迷惑だな。」

そう言って相澤さんは席を立って病室から出ていったっきり、お見舞いには来てくれなかった。
距離が縮まったと思うと、離れてしまう。

まぁ、こんなことでこの粘着質な私を振り切れると思われちゃ困る。
その後、一ヶ月間、大学の授業は病室からリモートで受講で移動時間も減り暇だったこともあり、私は毎日相澤さんにLINEを送った。

「なんでお見舞い来てくれないんですか？」
「今日は何してるんですか？」
「お仕事、忙しいんですか？」
「こんなので私のこと振り切れないですからね？！？！？！？」
「既読くらい、つけてよ！！」
「消太ぁぁぁぁぁぁぁ！！！すきだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！！！！」

返信が来ないのをいいことに、最後の方はタメ口、呼び捨て、いいたい放題だった。

退院の前日。
結局彼は、一度も返信もくれず、お見舞いにも来てくれなかった。
よし、もうこれは相澤さんの良心に存分に漬け込もう。
最後の手段だ。

「明日、お昼に退院しますよ！最後まで来ないつもりですか！？個性を無くしたヒーローなんて惨めで関わりたくもないですか？無個性に好かれるなんて、迷惑でしかないですもんね！！」

きっと、彼は優しいから。事件で個性を失ってしまった私がこう言うと、来てくれる。

退院の日、病院の門の前には、不機嫌そうに顔を埋めた彼がいた。
ほら、やっぱりあなたは冷たく見えて誰よりも優しい。