偶然か必然か【相澤消太】 (ページ5)

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＊相澤Side2 ページ5

医者に俺がヒーローだと教えられて目を丸くして驚いていた。この顔だからな、無理もないかと納得しつつ、表情がコロコロ変わる彼女を見て面白い奴だなと眺めていると何やら考え込んだと思えば、息を吐いてキリッとした顔をして口を開く。

｢この度は助けていただき、本当にありがとうございました。｣

感情が全て顔に出ている彼女を見ていると、考えている事が手に取るように分かり、つい吹き出しそうになる。大方、お母さんと間違えて甘えた事を気にしているが、実際に甘えたかどうかまでは覚えておらず、願望も含めて無かったことにしたんだろうな。長く話せば笑ってしまいそうだった為

｢体調は｣

とだけ返すと、思った通りムスッとした顔をした後すぐに笑顔に戻り

「おかげさまで今はだいぶ元気になりました！私医大生なんですけど、ついていくのに必死で助けるために勉強してるのに、自分が助けられてたら世話ないですよね」

と答えた。確かに男相手に生理痛とは言いづらいか、というか医大生なら自己管理しっかりしてそんなに酷いなら病院でも何でも通えよ。

医者がある程度状況を説明してしまったこともあり、長居せず帰ろうとおもったが、少し魔が差した。毎秒のように表情が変わる彼女に、母親と間違えた事を匂わせたらどんな顔をするのか少し見たくなった。

帰るのはその後でも遅くは無いだろう。校長から今日は午前中の授業は出なくていいと言われたしな。

「幻覚を見るほど大変なんだな、医大生は。追い込むだけでは返って逆効果だと思うがな。次からはもっと合理的に自分を追い込むんだな。じゃ。」

そう言うと彼女の顔は一気に青ざめて、冷や汗まで出ていた。ヒーローともあろうものが病人で遊んではいかんなと存分に遊んだ後に少し反省して病室から出ようと手をかける。

すると彼女は焦った様子で

「まって！！！！！！ください！！！！あの、もしかして私、あなたに何か言ったりしたりしましたか？あと！お礼！したいのでLINEか何か教えてもらえません？」

まぁ、気になるよな。すまんな、遊びすぎた。と心の中で謝り
「何もしてないし言ってないよ。うなされてただけだよ。俺はこう見えてもヒーローだからこんな事で礼だなんだと言われていてはきりがない。じゃあな。」

とだけ伝えると安心したのだろう、少しほっと息を吐くがどこか納得行かないようでまだくいついてきた。

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すみません！
2が非公開になってました(;_;)