偶然か必然か【相澤消太】 (ページ27)

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＊相澤Side8 ページ27

呑みはじめてしばらく経つな。
来る前は９個も下の奴と何を話すのかと思っていたが、案外話もはずんであっという間に時間が過ぎていった。
酒が入り、少し頬が赤くなっているがそんなことも知らず、普段よりも子供っぽく嬉しそうに笑いかけてくるあいつに釣られていつもは酒を飲んでも顔色が変わらない俺の顔が熱を持つ。

無邪気で可愛らしいな。と思いながら見ていると、その顔から笑顔が消えた。

「相澤さんって彼女とかいます？」

深刻そうな、不安そうな顔をしたあいつがそう聞いてきた。
あぁ、そういうことか。
ごめんな。俺、もう大切な奴は作らないって決めてんだよな。
とはいえ、別に告白されたわけでもないしはっきり言うのもおかしいか。

「なんだ急に。いねぇよ。別に今はいらんしな。」

お前にはもっといい奴がいるよ俺なんかより。
早めに次に切り替えられるように少し突き放した言い方をした。
すると、今にも泣きだしそうな顔を我慢しながら返事をする。

その後は、恋愛は合理的だー！や俺が人を好きになったことがないからそんなことが言えるんだー！などさんざんそ言われようで面白かった。

一通り俺を否定すると、トイレにいくと席を外した。

人を本当に好きになったことがない、、ねぇ。

「はぁ」

スマホを見るとかなり時間が経っていたため、店員を呼んでお会計を済ませる。
あいつは払う気でいるんだろうが、さすがに払わせられない。

その後も何気ない話をしながら残りのお酒を飲んでいると、店員が席の時間が迫っていることを知らせにきたので、店を出ることにする。

金をもう払っていることを伝え忘れていたため、レジの前で財布を出しているあいつに

「何してる。出るぞ。」

と、払ったことを言うとなんかいやらしい気もしたので違う言い方で退店を急かす。
少し混乱した様子だったが、すぐに気づいて後を追ってくる。

「相澤さん！！お金！！今日は私がはらう「ばかか。払わせられるか。甘えとけ。」

思った通りの反応するあいつの頭を軽くこづいて黙らせる。

「ずるいよ。こんなのかっこよ過ぎだよ。どうしたら好きになってくれますか？」

少し下向きで、ボソッとあいつはいった。
きっと、本人は口に出しているつもりはないんだろう。
薄々気づいていたとはいえ、急なあいつの言葉に思わず目を丸くする。
これは、聞かなかったことにはできないな。

「お前、いまなん「きゃー！敵よ！！」

ヒーローとしての性が一瞬にして二人の頭を切り替えさせた。