偶然か必然か【相澤消太】 (ページ24)

今日:32 hit、昨日:54 hit、合計:65,864 hit

ありがとうページ24

「こっちこい」と言われてしばらく経つけど、相澤さんは振り向きもせずに右へ左へ前へと進んでいく。

怒ってる。なぜかわからないけど、背中から怒っている雰囲気が漂っている。なんで？
いい感じに力合わせて早期確保できたのに。

「あの、なんかおこっt「ほら、入れ」

なんか高そうなマンションのエントランス。。。どこ？

「どこです？ここ、、、」

「俺の家だ。別に何もしない。いいから早くついてこい。」

オートロックが閉まるから、と急かされて何がなんだかわからず後をついていく。
え、どういうこと？家？なんで？え？なんで？
空いた口が塞がらない。なんで？
頭の中がはてなだらけで戸惑っていると

「落ち着け。お前その格好で帰るつもか。」

と言われてハッとする。
足元に目をやると、ガタガタで大胆なほどに短くなっているスカートに、傷がいくつかできた足。
一気に恥ずかしくなる。

「すみません！他にあの子の腕を固定する方法思いつかなくて。コンビニ、、には流石に服は売ってないですよね。どうしよ。」

「お前ん家は少し離れてたからな。おっさんの服は嫌だろうが我慢してくれ。そんな格好で帰るよりはマシだろ。」

入れ、と家の中へと案内される。
え！？相澤さんの服貸してくれるの！？その為に家連れてきてくれたの！？
流れるように部屋入ってしまったけど、いい匂いするし、ものはあんまりないけどすごい綺麗、、、。

「そんなジロジロみるな。ほらちょっと座ってまってろ。」

そう言ってどこか違う部屋へ行ったかと思うと小さな箱と洋服を持って帰ってきた。
私の膝の上に服を置いて、足の手当てを始める相澤さん。

「じ、自分でできますから///」

「動くな、じっとしてろ。」

消毒をされてぴりっとした痛みが走る。

「痛いです。もっと優しくしてください！」

「うるさい。」

そう言われてもっと強く消毒されてより染みる。

見えないように膝の上に服を置くのとか、さりげなくこう言うことできちゃうの、ほんとずるいな〜。

私ばっかり好きが積もる。

「はぁ。」

「どうした？ほら、できたぞ。着替えてこい。」

「すきです。相澤さんのことが、大好きです。」

言うつもりは無かった。なのに勝手に口から出てしまった。

相澤さんは、少し目を丸くした後に、すごく、すごく優しい、困ったような顔をした。

「ありがとな。」

今にも泣きそうな私の頭をガシガシと揺らした後、俺隣の部屋いるから、着替えな。といって隣の部屋へと消えていった。