敵 ページ23
「お前いまなん「きゃーーー！敵(ヴィラン)よ！！」
どーん！と大きな音が響き、私と相澤さんは音の方へと視線を移す。
「行きましょう！」
二人で現場へと向かう。でも、相澤さんのスピードに追いつけない。
ヒールが邪魔すぎる。買ったばっかりで勿体無いけど、仕方ない。
「すみません。先行っててください。」
そう伝えてヒールを脱ぎ、アスファルトにヒール部分を打ち付けて折る。
よし。これで走れる。
急いで相澤さんの後を追う。お酒を飲んでいたとはいえ、二人とも加減をして飲んでいた為、動きに支障はない。
前方に二人の敵を確認、炎を所構わず吐き出してそこらじゅうを火の海にしようとしているものと、空気砲か何かわからないが、指先から何かを放出して周辺の看板や建物を壊しているものが一人。
まだここの管轄のヒーローは到着していない。止めなきゃ。
「おい、俺があいつらの個性を消す。その間に操血で拘束「わかりました。お願いします。」
ふっと笑うと蹴れの目は赤く染まる。個性発動の合図。
私はすかさず、二人を操血で拘束する。
「ふぅ。これでひとまずあんし「あぶない！！！」
声の方へ目をやると、建物の瓦礫が下にいる男の子目がけて落ちてきている。
瞬時に血の巡りを倍速にして、自身の移動速度を上げ男の子を抱えて安全な場所へと運ぶ。
「よかった。大丈夫？」
そう聞くと、その子はなぜか片手のみ動かして親指を立てて大丈夫！と泣きそうな顔でお礼をいう。
ふともう片方の腕に目をやると、だらんと垂れていて肘あたりには何かがあたって擦りむけていた。
「あちゃー。怪我してるね。見せてくれる？」
そっとその腕を触ると、男の子は眉を歪める。
折れてるかも。んー何か固定できそうなもの。。。ないか。
仕方ないな。そう思い、自分のスカートの裾をビリっと破る。男の子はすごくびっくりしたと共に、一気に膝上までの丈になった私を見て、見てはいけない！と思ったのか顔を赤くして、目を瞑っていた。
「ごめんね。今これしか固定できるものないから。もうすぐ救急きてくれると思うから。それまで我慢できる？」
「うん。。おねいちゃんありがとう！」
どういたしまして。と伝えて駆けつけた救急に彼を渡して、警察と話している相澤さんの元へ行く。
「引き渡し、終わりました？」
相澤さんは私の姿を見るなり、目を逸らして頭をガシガシと掻く。
「おまえなぁ、。すみません。後たのみます。おい。ブラッド。お前はこっちこい。」
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作者名：ponchan | 作成日時：2023年4月26日 22時
