お見通し ページ21
もうこれは一気飲みしかない！
意を決してグラスを持ち口へと運ぼうとしたその時グラスの上に手が置かれる。
「ちげーよ。こっち呑め、嫌いなんだろビール。」
そう言って、私の手からビールをとってぐびぐびと呑む。
え、それって間接、、/////
一気に顔が赤くなっているのがわかる。
それを紛らわす為に新しくもらったハイボールを流し込む。
ていうか、なんでハイボール好きなのわかったんだろ？たまたま？
「すみません。私実はビール苦手で。。ハイボールは好きなので交換してもらえてありがたいです。。」
「言ったろ、お前顔にですぎなんだよ。笑 飲みもんのメニューも初めからずっとハイボールばっか見てたしな。ビール飲んだときも不味いってのがもろに出てたぞ。」
クククと笑いながらそう言う彼は、いたずらっ子のようで少し可愛く見える。
だからさっきわかりやすいなっていってたのか。
「バレてたなんて。。すみません。呑みかけなんか飲ましちゃって。」
「ん？あぁ、俺は好きだからな、呑めるなら別に気にしねーよ。」
グラスをゆらゆらさせながら微笑む。
え、今日笑顔多めだ。嬉しい。それに俺は好きだからなってわかってる。ビールのことを言ってるのはわかってるんだけど、ビールって言ってくれないとなんか変に意識しちゃってドキドキしちゃう。
「どうした、酒がもう回ったのか？強いんじゃねーのかよ」
「あ、いや！大丈夫です！！ハイボールだったらいくらでも飲めます！！！」
「そうか、ならいいが。なんで嫌いなのに無理にビールなんて頼んだんだよ。」
「前に、後ろで講義受けてた男の子が、一杯目にビール飲まないやついるとしらけるよなって話してるの思い出して。。」
「お前ほんと面白いな。別に何飲もうが本人の自由だろ。次からは好きなもん頼めよ。」
「はい。。。そうします。」
その後私たちはいろんな話をしながらお酒を楽しんだ。
静かな人と思ってたけど案外たくさん話してくれるし、かわいいギャップが今日だけでたくさん知れた。
特に驚いたのは、猫が好きなこと。たまに野良猫の後をつけたりしてるらしい。この感じで。可愛すぎる。
他には山田さんとは高校の同級生で今は一緒に教師をしてる。めんどくさい、と言いつつも話を聞く感じ大好きなのが伝わってきた。私もいつかそんな存在になりたいなぁと思った時にふと思いつく。
「相澤さんって彼女とかいます？」
「なんだ急に。いねぇよ。別に今はいらんしな。」
あ、失恋確定
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作者名：ponchan | 作成日時：2023年4月26日 22時
