グラサンが47 ページ7
国木田視点
いきなり空が光った為に周りにいた人々はざわめき出す。
そんな人々を横目に救護班と鑑識をよこすよう電話をかける
後は彼らに任せたら良い。そう思い次の電車に乗ろうとした。しかし、俺の視界に階段に座り、膝に顔を埋める先刻の少女が映った。ピクリとも動かない。爆弾のこともあってか心配になり声をかける。
「大丈夫か？間もなく市警が保護に…」
「あのスカポンタン許せへん！！」
いきなり頭を上げて想像以上にデカい声で叫ぶ。どうやら俺の予想と違い、少女はブチギレているようだ。
少女は俺の後ろ髪をギュッと掴み、歩き出す。
「ウチが成敗したる！」
少女との身長差と引っ張る力強さで思いっきり頭皮が引っ張られ、思わず「あ痛だだだだ」と自分でもビックリするような声がでる
少女は振り返り「お兄さん探偵社なんやろ？さっきの悪い奴ぶっ飛ばすの手伝うてよ！」
「はぁ？莫迦をいうな！お前は被害者で俺は次の仕事がある！あとは警察に任せろ！」
思ってもいなかった言葉に驚き声がデカくなる。
ぷんぷんと言う擬音がピッタリ合いそうな顔をして少女は続ける
「だって犯人の顔見たんウチだけやん。早よ捜さんと犯人逃げてまうよ」
「駄目なものは駄目だ。」
すると少女は暫くの沈黙の後ビリビリと自分のタイツを破きだした。ビク！と肩が跳ねる。さっきから予想外な事ばかりだ。タイツを破り終えた少女は地面にへたり込み、手の甲を額にあてて棒読みで言った。
「あー困ったなー。もし警察来たら国木田さんていう怖い顔の人に暗いとこで服破られたって言わなあかんなるなー」
少女なのに何てエゲツない脅しを仕掛けるんだ。本気だとは思っていないが冷や汗が出る。
俺を見事に黙らせた少女はニコッと笑って自らを文と名乗った。よく笑う小娘だ。
「犯人逃げたんはあっちや！」
と元気に走り回るのと真逆に、俺はやってしまったと言う後悔の渦に巻かれていた。
__
ピチャピチャと歩くと水が跳ねるような人なんか通らない場所まで来てしまった。電車が通る為だけの場所なのだろう。
「俺の予定が…理想が…」
項垂れる俺を見て文は呆れたように言った。
「なんか探偵社って噂ほどカッコよないなぁ…」
今度は俺に呼びかける為に言った
「なぁ国木田」
「さんを付けろ」
「そんなに予定が大事なら何でさっき電車ほっぽってまでウチ助けに来たん？」
「理想だ」
手帳の「理想」の字を見せる
「俺の眼前で人が死ぬ世界は俺の理想ではない。そう思っただけだ」
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三原色 - 。さん» なななんと！ありがとうございます！これからも何となくで頑張って参りますので何卒…生暖かい目でよろしくお願い致します！ (7月1日 17時) (
レス) @page10 id: 3ea33a02c4 (このIDを非表示/違反報告)
。 - とっても面白いですね！応援してます (7月1日 11時) (レス) @page10 id: 26c600857a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三原色 | 作成日時：2023年5月31日 21時
