グラサンが45 ページ5
国木田視点
よし、今日の予定はこれで完璧だ。後は手帳通りにこなすだけ。
今日の予定を上から下まで暗唱する。出社してからこれで5度目だ。
そんな中、太宰が手帳を後ろから覗き、言った。
「うわ、今日の予定は一段と過密だね。」
太宰に手帳をぐっと近づけてコイツにもわかりやすいように説明する。
「軍警参謀本部の対テロ会議、次に凶悪殺人事件の証言収録、その他にも1分も送れられん重要案件が鈴なりだ。」
手帳をパンっと閉じ、最後に予定への熱意も添える。
「だが我が魂を懸けてこの完璧な予定を熟してみせる」
おっと、もう社を出る時間が近づいている。
出口へ向かう。
与謝野先生が手を合わせて声を掛けてくる。「オヤ、国木田丁度よかった。食材の買い出しに付き合ッて…」
「すみませんが別のものに」
谷崎がメモ帳を持ち、かけよって来て声を掛けてくる。「情報屋から爆弾魔についての垂込です。爆弾入りの旅行鞄を通行人に渡して街中で起爆する無差別爆弾魔が…」
「帰ったら聞く」
乱歩さんが駄菓子の箱から目線を俺に変えて声をかけてくる。「国木田、駄菓子が無…」
「戸棚にまだあります。」
適当な返事で申し訳ないと思いつつ、脚は止めない。
ドアノブに手をかける前にやる事がある。
途中で右に曲がり、椅子に座りくるくると回っているAに声をかける。
Aはくるくると回っていてこちらに気がついていないようだから椅子の背中をガッと掴んで回転を止める。
Aは『ん？どうしたの？』とキョトンとした顔でこちらを向く。
「おい」
『？』
「対テロ会議の後はお前との仕事が入っている。どうせお前は待ち合わせに遅れるだろうから着いてこい。会議の間は適当な場所で時間を潰せばいい。」
するとAは椅子をくるりと回し、俺の方に体を向けてから心底嫌そうな声で言った。
『え…嫌なんですけど…。待ち合わせに遅れるだなんて僕への信頼は無いの？』
Aはムッと頬を膨らませ非難の声を上げる。
ほう…信頼か。
「敦が入社した際に真っ先に遅刻をかましたのは誰だったか…」
Aは暫く俯いて首を捻っていたが『あ〜アレか』と顔を上げた。依頼には基本的に興味がないAでもまだ記憶に新しいものは少しずつ遡ったらギリギリ記憶の引き出しを開けることができるようだ。その依頼は見事に遅刻したのだから尚更だ。
『あれでしょ、太宰が金平糖の瓶持ってくれなかったやつ』
なるほど、そういう覚え方だったか。
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三原色 - 。さん» なななんと！ありがとうございます！これからも何となくで頑張って参りますので何卒…生暖かい目でよろしくお願い致します！ (7月1日 17時) (
レス) @page10 id: 3ea33a02c4 (このIDを非表示/違反報告)
。 - とっても面白いですね！応援してます (7月1日 11時) (レス) @page10 id: 26c600857a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三原色 | 作成日時：2023年5月31日 21時
