もう届かない…願い ページ42
何度も…願った
何度も何度も……
でも、
届かなかった。
……
…
A「……」
あれから
1週間がすぎた
私はいまだに蓮に会いに行けていない
足が、体が
どうしても動かなくなる
その度に、罪悪感が増す気がした…
…
…
そんな時だった
私に一通の手紙が送られてきた
A「……なんで…」
それは天川さんからの手紙で、
ぐしゃぐしゃで消しゴムで何度も消した後があった
天川『鶯さん、いかがお過ごしでしょうか。大規模侵攻の影響により私は家から出られそうにありません。親がボーダーをやめろと言っていて、家族で大喧嘩です。
でも!わたし、辞める気ないので!
私は今回、貴方にどうしても、伝えたいことがあり、手紙を書いています。』
A(伝えたいこと?)
天川『私、1年前、貴方に命を救われました。』
A(私が天川さんを?)
天川『その日、家族と大喧嘩して家出して、警戒区域に入ってしまった私をネイバーから助けてくれた。
鶯さんは覚えてないと思いますが、あの日あの時、助けてくれて本当にありがとうございます。』
A(私に憧れてるって……そうゆう…)
天川『貴方は私に、ネイバーを見た私に、記憶を消すかどうか聞いてくれましたよね。私、あの時の言葉一生忘れません。』
天川『…人は誰しも、権利を持っている。10歳そこらのガキにも意志や感情はある。それを尊重し大切にする。そうやって生きていく。そうやって自分をつくる。だから、貴方はどうしたい?……って、
初めてだった、そんな風に自分の意志を聞いてくれた人
うちは親が厳しくて、いつも親の言われた通りに生きてきてつい耐えられなくてその日、家出をしたんです。
あの日あの時のあの言葉は私を救ってくれました。』
不器用にでも真っ直ぐに私を思い書いてくれたその言葉達
天川『あの日から、鶯Aは私の《ヒーロー》なんです』
ヒーローの文字の下に何度も何度も書き直した跡があって、英雄や、憧れ、スーパーマンとも書いた跡があって
A「ふふっ…」
ついつい笑ってしまう
天川『だから、貴方に憧れて、近づきたくて……友達に!なりたくて!』
天川『私と、私と友達になってください!』
途中まで敬語だったり気を使った言葉だったのに最後のこの言葉だけはまるで…まるで感情全部乗っけたみたいに
荒々しく殴り書きされていた
A「………」
認めたくなかった、答えが…
願いが…そこに……
あった。
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蚊帳 - 気長に抗酸化待っています! (2022年9月15日 21時) (レス) id: e110b29402 (このIDを非表示/違反報告)
みなか - 面白いです!更新楽しみにしてます! (2022年6月8日 22時) (レス) id: 8f3f0cf387 (このIDを非表示/違反報告)
巫都 - 続き待ってます! (2021年12月28日 12時) (レス) id: b5eb63bfb4 (このIDを非表示/違反報告)
すみれ - 他作品に失礼します。ホリミヤの「うるさい。あとやかましい。」の作品の方はもう更新されないのですか? (2021年10月28日 18時) (レス) id: becaa0688f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ruu | 作成日時:2021年9月20日 15時