独りぼっちのまま ページ40
小南「でも……結局あの子は私達に何も言わずに一人暮らしをはじめて……勝手に離れていって…また、1人になろうとする」
宇佐見「…小南」
しばらく続いた沈黙を破ったのは
意外なことに栞ちゃんで
宇佐見「きっと、私はまだ…私達はまだ……なれてなかったんだよ。」
小南「え?」
宇佐見「小南の言うその《何か》に…」
小南「……」
宇佐見「家族でも、友達でも、チームメイトでも…何でもいい。ただあの子が心を許せる…そんな《何か》になれてないから…ううん……きっと、鶯Aがそれを認めてないから離れて行こうとするんだよ。」
小南「……Aは私達を信用してないってこと!?」
宇佐見「そうゆうことじゃなくて!!!」
レイジ「小南も宇佐見も落ち着け。」
小南・宇佐見「「っっ…」」
宇佐見「……うぐっちはきっと家族を亡くしたその瞬間から、独りぼっちになったその瞬間から…ずっと、ずっと…
おかえりを言う相手を待ってる…
それまではきっと、独りぼっちのままだと思ってる
それを言う相手は私達じゃダメなんだよ…私達じゃ、
幸せで普通の生活をしていたころの…あの頃の…うぐっちにとっての大切な人じゃなきゃダメなんだよ。」
小南「そんなこと!!………わかってるわ……」
小南先輩の声はか細く震えていた
小南「私達じゃダメだってことぐらい……知ってるわ…」
小南「私達はあの子の家族の代わりになんてなれない。あの子がずっと帰りを待ってるのはおかえりを言いたいのは私達じゃない。
だから…あの子の中で鶯Aはずっと独りぼっちのまま家族を失ってから時間が止まったまま…
独りぼっちなんだって自分で自分を追い詰めて、周りが見えなくなってどんどん心がすり減っていって…そして…
死んだ方がマシだって…思うようになった…」
遊真・修・千佳「「「…!?」」」
迅「だから俺たちはアイツを死なせないことだけ考えてる。昔のアイツや、家の事情も深く知らないけど今のアイツを俺たちは気に入ってる。だから……」
小南「だから!……何も言わずに…説明もなしに…勝手にいなくなるなんて許さない、死ぬなんて許さない」
レイジ「……それは同意だ」
烏丸「…そうっすね」
宇佐見「…うん」
……
…
遊真said
先輩達も、
Aの気持ちなんてわかっていたんだ
辛くて苦しくて、擦り切れていったAの心
生きることすらやめたくなるほど
苦しんでいる
悲しんでいる
そんな、
自分は独りぼっちだと決めつけている
たった15歳の少女が
死にたがってることを
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蚊帳 - 気長に抗酸化待っています! (2022年9月15日 21時) (レス) id: e110b29402 (このIDを非表示/違反報告)
みなか - 面白いです!更新楽しみにしてます! (2022年6月8日 22時) (レス) id: 8f3f0cf387 (このIDを非表示/違反報告)
巫都 - 続き待ってます! (2021年12月28日 12時) (レス) id: b5eb63bfb4 (このIDを非表示/違反報告)
すみれ - 他作品に失礼します。ホリミヤの「うるさい。あとやかましい。」の作品の方はもう更新されないのですか? (2021年10月28日 18時) (レス) id: becaa0688f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ruu | 作成日時:2021年9月20日 15時