でも、断る ページ36
…
A「……止められると思ってたのに」
遊真「なんで？Aがソイツを恨むのは当たり前じゃん。」
A「……ありがとう。遊真。」
遊真「…？」
A「でも、断るね。」
遊真「なんで？」
A「私はアイツを殺したいけど…この国はそれを認めないから。」
遊真「ん？」
そう、
私がアイツを殺すってことは
つまり、
私がアイツと同じ犯罪者になるということだ。
遊真をそれに巻き込んだら今度こそ城戸さん達や、上層部はたまた警察まで遊真の敵に回してしまう
それは絶対にできない
A「……遊真を犯罪者にはできないよ」
遊真「……その理屈なら俺はあっちの世界で何人も殺してる、もう犯罪者だろ。」
A「あっちと、こっちは関係ない。この世界のこの国で人を殺すことがダメなのよ。そんな、薄っぺらい法律なのよ、国や世界が変わるだけで関係なくなるようなね。」
遊真「……やはりこっちの世界のルールはわからんな。」
遊真のうむうむと唸る姿を横目に
三輪先輩にも同じようなことを彼は言っていたことを思い出す。
A「遊真はさ、」
遊真「ん？」
A「三輪先輩があの時、敵討ちに協力してくれって頼んだら協力してた？」
遊真「三輪先輩…あっあの時か。そうだな。してたかもな。ま、今ではレプリカいないから無理だけど……でもどうして突然三輪先輩の話？」
A「私さ、三輪先輩苦手だったんだよね。」
遊真「ふむ。」
A「その理由がようやくわかったよ。」
遊真「？？」
A「羨ましかったんだ。すごく。」
遊真「え？」
A「ネイバーにお姉さん殺されて、それでネイバーを恨んで、殺して。全て敵だ、なんて言えて。」
遊真「…。」
A「私はアイツを恨んでるし、殺したいけど…アイツはこの世界の人間だから……」
A「ネイバーだから敵を撃ちにいける。けど私は敵討ちをしたらアイツと同じ犯罪者になる。いっそのこと、ネイバーだったらよかったのに…そしたら迷うことなく殺しに行けた…」
A「私と三輪先輩は似てるようで全然違う。彼には恨みを晴らせる相手がいた。敵を撃てる権利も力もある。
でも、私にはない。
恨んでも殺したくても…私にはどうすることもできない。
それが悔しかった。羨ましかった。」
遊真「A」
A「………でもたぶん1番の理由はきっと」
遊真「…」
A「昔の…少し前の自分にそっくりだったからだと思う」
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蚊帳 - 気長に抗酸化待っています！ (2022年9月15日 21時) (
レス) id: e110b29402 (このIDを非表示/違反報告)
みなか - 面白いです！更新楽しみにしてます！ (2022年6月8日 22時) (レス) id: 8f3f0cf387 (このIDを非表示/違反報告)
巫都 - 続き待ってます！ (2021年12月28日 12時) (レス) id: b5eb63bfb4 (このIDを非表示/違反報告)
すみれ - 他作品に失礼します。ホリミヤの｢うるさい。あとやかましい。｣の作品の方はもう更新されないのですか？ (2021年10月28日 18時) (レス) id: becaa0688f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ruu | 作成日時：2021年9月20日 15時
