神の悪戯 ページ32
……
…
それは偶然か
必然か。
幸か
不幸か。
はたまた神の悪戯とでも言おうか。
その日、
目の前で三雲くんが刺され、意識不明の重体になった日…
私が自分があの日から変われていないと自覚した日…
弟が
目を覚ました。
頭が真っ白になった
覚悟はしていたはずだった
こうなる日がいつか来ると、理解もしていた
だが、
あまりにもそれは突然で…
あまりにもタイミングが悪かった。
……
…
あの子に会うのが怖い、
あの日のことを思い出すたび
罪悪感で押しつぶされそうになる
不安で不安で
全身の震えが止まらなくて、吐き気がして、眩暈がして
息もまともにできなくて…
ただ
あの時、手を離してしまったことへの
謝罪だけが
譫言のように口から出る
「ごめん……なさい……」
……
…
迅「鶯!鶯!………A!!!」
A「…っ!?……じっじん…さっ……ヒューヒュー……なっ…ん……で……ヒューヒューヒュー……」
大きな声と肩を揺らす力強い腕、
周りが見えなくなっていたAの視界がひらく
迅さんを見て
咄嗟に出てきた安堵と罪悪感…
こんなところは見られたくなかった…
けど、今の自分が正常じゃないことくらい自分でわかっている
迅「……A。帰ろう。」
A「…はっ…い……」
フラッ
そこから先の意識はもう無くて
きっとそのまま私は倒れた
……
…
A「…ここ」
目が覚めると玉狛のいつも私が使ってる部屋で、
あまり物音もしないし、窓の外も暗いのできっと夜だろう
今日が何日であれからどれくらい寝てたのかわからないが、目がぱっちり冴えてることから12時間以上は寝ててもおかしくない。
はてさて、起きたら記憶が無くなってるわけでもなく、蓮が目覚めたと電話があったことはしっかり覚えてて、だがあの時よりはだいぶ落ち着いている
だからといって
会いに行ける勇気などなく
不安が募るばかりだ
A「…………はぁ…すこし…外の空気でも吸うか」
ガチャっ
不安をすこしでも拭い去りたくて
頭を冷やしたくて
私は屋上の扉を開いた
キィ
A「………遊真?」
遊真「?……A、起きたのか」
そこには先客がいて
遊真が1人屋上の柵のところに座っていた
遊真「おはよ」
A「えっ…あっうん、おはよ」
遊真「座ったら?」
A「…うん」
遊真が座ってる所から人2人分くらい空けて柵のところに腰を下ろす
A「…はぁ」
そのまま空を見上げたが、
やはりため息ばかり出てしまう
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蚊帳 - 気長に抗酸化待っています! (2022年9月15日 21時) (レス) id: e110b29402 (このIDを非表示/違反報告)
みなか - 面白いです!更新楽しみにしてます! (2022年6月8日 22時) (レス) id: 8f3f0cf387 (このIDを非表示/違反報告)
巫都 - 続き待ってます! (2021年12月28日 12時) (レス) id: b5eb63bfb4 (このIDを非表示/違反報告)
すみれ - 他作品に失礼します。ホリミヤの「うるさい。あとやかましい。」の作品の方はもう更新されないのですか? (2021年10月28日 18時) (レス) id: becaa0688f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ruu | 作成日時:2021年9月20日 15時