トラウマ ページ30
……
…
A「……」
あの後、
千佳ちゃんもキューブから元に戻り
三雲くんは本部の医務室で意識不明の重体。
C級もチラホラと何人か行方不明…
攫われたらしい
これが
最善の未来だったのだろうか…
私は1人、帰路を歩きながら
そんなことを考える
遊真や、千佳ちゃんはきっと今でも三雲くんの側にいる
私はどうしても…
様々な機械に繋がれ、呼吸器をつけられている三雲くんを見ると
蓮の姿を思い出す…
病院に運び込まれた時の爛れた肌、煤で汚れた体、
機械に繋がれ、機械音だけが響く病室…
今でこそ、蓮の体には火傷後ぐらいしか残ってないが
それでも
あの病室が
機械音が
あの匂いが
…なんどもなんども
あの日のことを思い出させる
忘れたい
忘れたらいけない
消したい
消すわけにはいかない
そんな…
私のトラウマを…
思い出させる
…
…
ここに居たら…
2週間に1回のお見舞いも、私にとっては苦痛だったことがバレる
三雲くんを弟と重ねてた迷惑女だとバレる
私が
私が
本当は生きてる理由がない方が…
そのまま蓮が
死んでくれてた方が…
よかった……と、
そう思ってることが…
そんな最低な奴だったことが…
バレる
…
…
あの場から何かしら理由をつけて逃げた
でも、あの場から離れたからといって、私の脳裏には黒い針に刺された瞬間の三雲くんの顔がこべりついていて
あの時
《まただ、また間に合わなかった。》そう思った
目の前にいるのに
私は無傷で、彼は血だらけ
あの時と、何ら変わりはなかった
私はあの時も無傷で、ボロボロの蓮を見てるだけ…
あぁ、やっぱり変わってない
もう、無力な私じゃない、なのに…
状況は何も…
なにひとつ変わってない
そんな悶々とした頭でフラフラと歩きながら
アパートを目指していたら
Aの携帯が鳴る
プルルルル…プルルルル…
A「…電話？」
画面を見ると病院の蓮の担当の看護師さんからで
A(こんな時になんだろう…大規模侵攻があったから病院も忙しいはずだろうし…)
疑問を抱きつつ
通話ボタンを押す、
A『もしもし…？』
看護師『鶯Aさんでしょうか？』
A『はい。どうしたんですか？…蓮に何かありました？』
看護師『Aさん……実は蓮くんが………』
A『…え』
カッカッカッ
携帯が手からすり抜け地面に落ちる
それを拾おうと、伸ばしたAの手は震えていた…
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蚊帳 - 気長に抗酸化待っています！ (2022年9月15日 21時) (
レス) id: e110b29402 (このIDを非表示/違反報告)
みなか - 面白いです！更新楽しみにしてます！ (2022年6月8日 22時) (レス) id: 8f3f0cf387 (このIDを非表示/違反報告)
巫都 - 続き待ってます！ (2021年12月28日 12時) (レス) id: b5eb63bfb4 (このIDを非表示/違反報告)
すみれ - 他作品に失礼します。ホリミヤの｢うるさい。あとやかましい。｣の作品の方はもう更新されないのですか？ (2021年10月28日 18時) (レス) id: becaa0688f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ruu | 作成日時：2021年9月20日 15時
