お支払いはアナタの時間で-5- ページ9
ウォロside
沈黙の時間が続き、Aさんは気まずそうに時折コチラの様子を見ていた
無理して話をしようとは思っていない
ただ、怪我をしてるのに歩かせたくなかったのと
なによりもこの嬌姿を他の誰にも取られたくなかったのだ
ジブンは思っていたよりも独占欲が強いらしい
彼女はテンガン山での出来事とシンオウ様についての話題を切り出した
そのときにふと気付いたのである
今日はプレートやアルセウスの事を聞くために接近したのに、今の今まですっかり忘れていたジブンがいることに
アルセウスに関する考えが頭の中から消えることは、
これが生まれて初めてだった
……ただの人間に心惹かれてしまうとは情けない
だが、それもきっと今日限りの話だろう
明日からは切り替えて利用してやればいいだけだ
遠くから再び祭囃子の音が聞こえてくる
不思議と今度は耳障りとは思わずに心地よく感じた
「賑やかですね」
『…今日のことはきっとずっと忘れないと思います』
その目はどこか寂しそうだった
コトブキムラを、ギンガ団を追放された時のような孤独に満ちた空ろな瞳
「アナタの居場所はちゃんとここにあります」
今日改めて分かったことがある
彼女はジブンと同じように一人孤独だと最初は思っていた
けれどAさんはポケモンも、村や集落、団の壁をも
超えて沢山の人に愛されていて
……それはきっと、彼女の直向きに努力するその姿に
皆心を奪われてしまうのだろう
なぜなら、ジブンですら彼女から目を離せないのだから
ﾊﾟｰﾝｯｯｯ…＿＿＿＿
大きな破裂音と共に花火が打ち上げられ、
隣にいるAさんは感嘆の声をあげた
『花火だ…』
彼女の大きな瞳に煌めく大輪の雫が写し出される
花火が朱や碧へと色彩を変える度に
菊や牡丹、群蝶が空一面に広がる度に
彼女の瞳が、頬が、色とりどりに移り変わってゆく
嗚呼、なんとこれほどまでに綺麗なのだろうか
思わず息を飲んで、それから一言だけ呟いた
「…美しいですね」
『ええ、とても』
彼女は柔らかな微笑を浮かべて、小さく頷いた
Aさん、アナタは本当に美しいお方です＿＿＿＿
-おまけ-
その後一人帰ったウォロさん
「(…Aさんのいい匂いが残ってる……)」
彼はずっと服の香りを嗅いで中々眠れなかったそうです
(なおこの後盛大に裏切る)
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空白(プロフ) - 色欲の罪ムギさん» 名前変わりましたが作者です、お読みいただきコメまでありがとうございます！気になる終わり方しましたがどうなるのでしょうか…最後には絶対くっつかせるので続編をお待ちください！ (2022年2月9日 12時) (
レス) id: a78faf7fd5 (このIDを非表示/違反報告)
空白(プロフ) - ぷっかさん» ログインして名前変わりましたが作者です！コメントありがとうございます！ウォロさんほんとにかっこいいですよね…！続編でも是非よろしくお願いします！ (2022年2月9日 12時) (レス) id: a78faf7fd5 (このIDを非表示/違反報告)
色欲の罪ムギ(プロフ) - はじめまして!!コメント失礼します!!みていて今後がとても気になりました…！ウォロさんと夢主ちゃんにはとことん幸せになって欲しいです…w更新頑張って下さい!!これからも応援しています！ (2022年2月9日 5時) (レス) id: 767de012cb (このIDを非表示/違反報告)
ぷっか(プロフ) - 本当に本当にありがとうございます、ポケモン初心者がウォロさんの為に今アルセウスやってるんですが、ウォロさんともっと野山を駆け回りたい欲がこちらの小説で叶えられそうです！！！続きも待ってますよろしくお願い致します！！ (2022年2月8日 17時) (レス) id: 4739feb9d1 (このIDを非表示/違反報告)
メルル大尉 - ありがとうございます (2022年2月8日 10時) (レス) id: ed795cdb00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空白 | 作成日時：2022年2月2日 13時
