婚約者から愛される方法【五条悟】

笑って ページ39

貴方「雪く…」




雪葉「ママ！このおにーちゃんがくれた！！」




そこにいたのは、




貴方「傑…久しぶりです」




傑「やぁ、随分お腹が大きいね」





傑だった。
殺気は感じられない。




貴方「うん……そうですね」




雪葉「ママのおともだち？」




貴方「…はい、ママのおともだちですよ」




傑は少し低い声を出す。





傑「私はね、A。君のように善人ではない…だから、君の姉を殺したくて仕方ない」





貴方「……やめてください」





傑「いやだ…そう言ったら？」





彼にはもう良心などない。
多分これは殺してしまう。




貴方「やめてください。お願いします」





昔から姉を何故か嫌っていたから。




傑「…雪葉くん」





雪葉「なぁに？」





傑「ママは好き？」




雪葉は可愛く笑う。





雪葉「うん！！！ママだーいすき！！」




貴方「雪くん」





雪葉「ママの赤ちゃんも」





うん。
私も大好き。




傑「……A」





貴方「ん？」





傑は私の手を握る。





傑「君は私のお願いを聞いてくれなかった。
だから…私は君のお願いは聞けないよ」




貴方「え」





傑「じゃぁね」





貴方「傑！！」





お願い？
え？
わからない。



思い出せない。






貴方「…あ」




【君にお願いをするなら、ひとつだけあるよ】





そう言えば、ひとつだけお願いされた。





【私と会うときは絶対に笑顔でいてよ】





簡単なことなのに…忘れてた。

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