婚約者から愛される方法【五条悟】

硝子side ページ9

貴方「悟くん」




悟「触んな」




ほら、この顔。




硝子「死ね「硝子ちゃん？」離しなさい、A」




貴方「落ち着いて…」




傷ついてるくせに隠すような笑顔。




硝子「あんた知ってる？」



悟「何を」



硝子「今あんたのそれでどんだけこの子が傷ついたか」



悟「知ってるけど、どーでもいい」




不憫。



不幸。



貴方「ケホっ……」





吐血するAを見て動揺する五条。




硝子「ほら…座って」



貴方「ごめんね〜」



袴で拭こうとするAの手を掴んで自分の裾で拭く五条。



悟「ごめんねじゃ…ねぇだろ」




貴方「大丈夫だよ…いつもの事だから」




硝子「…こっち見て」




酷い疲れと神力の激しい消耗。
唇も青くなってる。




硝子「睡眠時間は」



貴方「2時間は寝てるよ」



硝子「お祓いの件数は」



貴方「昨日は15件だけ「いいえ、その倍でございます」」



「申し訳ありません、A様。
主治医様にお伝えせねばと私共も思っておりました」




その倍。
それは…身体に毒。




悟「死にてぇのかよ」




貴方「仕事を全うして最期を迎えられるなら本望だよ」




これは口ぐせというか。





硝子「何その顔。
今更心配してんの？」




悟「…するに決まってんだろ」




硝子「本当に都合いいわよね…あんた達は」




Aは私と五条の手を握る。




貴方「落ち着いて、ね？」




いつも冷たい手。





貴方「そろそろ仕事に戻らないといけませんね」




「A様」



貴方「大丈夫ですよ」




ゆっくり立ち上がって、可愛く笑うA、





貴方「また来てくださいね、
ではまた今度」




雅に立ち去る彼女。





硝子「流石というか…
本当に弱った姿みせないよね」




悟「深刻？」




硝子「深刻じゃなかったら仕事中に様子見に来ないわよ
私だって暇じゃないし」




本当に人間は過ぎた時に気づいてしまうんだから。
愚かだよね。

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