婚約者から愛される方法【五条悟】

悟side ページ36

「それが…っ、昼間に休憩をすると言っていなくなってしまったんです」



「薬も置いて行かれて…どこに」




Aが居なくなった。
すぐに帰ってくると思ってたけど、3日が経った。




志乃「どこにいくの？」




相変わらず志乃は弱ってる。
無視はできなかった、自分のせいでなってるのもあったから。
でも今はAの事で頭がいっぱいだった。




悟「Aと雪葉が消えた」




志乃「え？」




悟「誰も何も聞いてないし、見てないって」




初めから俺が素直にあいつを愛せたら良かった。




悟「探しに行かないと」



志乃「一人にしないで！！」



悟「志乃「いや…っ」…」




俺が心動かされたのはあいつじゃなくて、志乃だった。
だから今も志乃を拒めないでいる。
志乃が愛おしいと思う自分がいる。



硝子「あー、あの子なら雪葉に連れてこられて家にいる」




1ヶ月経った頃衝撃な事を言う硝子。




硝子「疲れたんだと、全部に。
子どもも産みたくないって」




悟「家にいるわけ？」




硝子「ゆきとゆっくりしてる」




疲れた。
その通りだろ。
この20数年も人の為に生きてきたあいつ。



硝子「お前には会いたくないって、
というか…誰にも会いたくないとさ」




悟「自分の旦那に」




硝子「よくゆーよ」




散々傷つけて、泣かせて。
自分が求める時だけ求めてきた。




悟「報われないなー」




いつもすれ違う僕ら。
それは僕がAに対して真摯じゃないから。




雪葉「しー…ママねんね」




悟「見ないうちにおっきくなった？」




雪葉には優しくできるのに、




悟「…だめだな」




顔も見れない。
罪悪感が自分を責め立てる。




硝子「ここまで来て帰るわけ？」




悟「僕の顔見たくないでしょ、僕は雪葉が見られて十分」




どうせ顔を見たら傷つける。




硝子「……拗れてんな」





余計な事言って、溝が深まるだけだ。

疲れたの→←そうしてきたから

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