昼想夜夢【黒×紫】

大丈夫か ページ27

横山side




大丈夫かと聞けば誰かがいたら大丈夫、て言う。
の割には俺の手ギチギチに握って心なしか
震えてるからやっぱり怖いんやと思う。


俺の知らん間に俺のヒナはこんなにも弱ってしまった。



何もできひんかったことがすごい悔しい。

車に乗り込んでマネージャーが大丈夫かと聞いて
ヒナは声を出さずに頷く。
マネージャーはそれ以上何も言わんと車を走らせた。


泣き疲れたのか、俺の手を握って俺にもたれて
すぐに寝た。最近寝れてないのかくまもすごいし、
ちょっとでも寝れたらいいな。




「犯人はまだ捕まってないの？」

【捜査は警察に任せているんで…】

「なんで1ヶ月もあって捕まらんの？」

【…複数人いるかもしれないって話が出てるんですよね】

「はあ？」

【ひとりはもう逮捕されてるみたいです。監視カメラから見つけ出したって、】

「…まだおるん、」

【逮捕されたって警察から連絡が来た日からもまだ写真が届いているんで…】

「…もう今日からあの家帰らさんとこ。俺ん家で良いよな」

【それがいいと思います。事務所にも伝えておきますね】



大事にしたくない、その気持ちは分かるけど
せめてメンバーには相談して欲しかったな、ヒナちゃん。






『「ストーカー？！」』

「…おん。まだ続いてるみたいで」

大「…なんも言うてへんかったで、信ちゃん」

安「収録で会ってたのに、」

丸「信ちゃん、」



車から楽屋に運んだ時、あまりの軽さにびっくりした。
それに、楽屋までの道中、騒がしいところを歩いてもどれだけ揺れても、
目を覚まさんかった。

今は楽屋の奥で寝てる。




大「…まだ犯人、捕まってないんよな」

「…あと何人おるんか分からんねんけど」

安「…許せへん」

丸「…」

「俺らが出来るのは、もうヒナを守るしかできひん、、から、」

大「ん、みんなで守ろう」

安「横ちょひとりの責任じゃないよ、泣かんで、」

丸「犯人は警察に任せてあとは信ちゃんの心を守ろう、みんなで」




悔しくて、悔しくて。


思わずみんなの前で泣いてしまった。


みんなに慰められていると、ヒナが目を覚まして
体を起こしていた。




「ヒナ、っ」

『ヨコ……なんで泣いてんの、』

「んーん、なんもない」




俺らが守るしか、ない。

そう思った後も、大変やった。
廊下に出てスタジオに向かおうとすると急に立ち止まって
廊下のど真ん中で蹲った。

ゆっくり→←頼る

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す