俺は君の特別になりたい (ページ37)

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「んで、結局くっついたと。」
「…えっと…まぁ、そんな感じ……デス」

あの数日後、大倉に飲みに誘われて、あの後どうなったのか、結果は？などこと細く聞かれた。

「はー、ホンマ、俺可哀想やわ！めっちゃ当て馬役やん！」
「本当にその節は申し訳ないと思っています。」
「まぁええわ。そうなると思ってたし。」
「えっ？！」

「俺、フジガヤくんに会いに行ったことあったやん？あれ、「もう宏光に会うな」って言いに行ったんや。あの時のフジガヤくんの顔ヤバかったで？嫉妬の塊みたいな？？」
「はぃ？！」

「やからお前が「振られに行く！」って言った日、多分両思いになるやろなーって」
「まじ……ですか」
「いやー、いい仕事したわ。恋敵相手に恋のキューピッド。俺良い奴すぎるな。」
「さようにございます。」
「おん。せやから俺もまた新しく好きな人見つけなあかんなー」

そう言ったただくんは、少し寂しそうな顔をしていた…気がする。

「俺に恋人できたらめっちゃ惚気けてやるから覚悟しとき！」
「いいぜ。俺も惚気で返してやる！」

そんな話をして飲みはお開きになって、1人で歩いて駅に向かっていたら、駅のベンチに知ってる人影が居た。

「迎えに来てくれたんだ？」
「あたりまえでしょ」

そして流れるように俺の手をそっと握って歩き出す。
汗ばんだ手のひら。夏だから「暑い」とか文句言ってしまうけど絶対手は離さない。
素直じゃないし可愛くもないけど、それも全部ひっくるめて愛してね。

俺は君の特別になりたい

fin