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はらり。俺の頬に雫が伝った。
どんどん息が詰まっていく。どんどん涙が溢れていく。
「…俺、そんなに嫌われてたんだ…もう昔みたいにとか…無理…なのか…」
「俺の話を最後まで聞いて！」
「気持ち悪いって思うかもしれないけど、好きなんだ。ヒロのことが。」
どういう事、俺の事嫌いなんじゃないの？気持ち悪いんじゃないの？もう関わりたくないんじゃないの…？
「ヒロにずっと好きな人がいるの知ってるし、大倉さんに惹かれ始めてるのも知ってる。
正直その事聞いた時はなんで俺じゃないの？って思った。ヒロが「もう会わない」って言った時何がなんでも繋ぎ止めないとって思った。ずっと仲のいい幼なじみのままでもいいからそばに居たい。そう思ってたよ。」
「…でも無理やり引き止めて、無理やり隣に居させたヒロは前より楽しくなさそう…っていうか、辛そうだった。薄々気づいてたけど、認めたくなくてずっと気付かないフリしてた。」
「俺、好きな人にはずっと笑顔でいて欲しいの。でも俺じゃヒロのこと泣かせてばっかで笑顔にできないから。」
「だからもう会わない。」
俺は今、夢を見ているんだろうか。
だってこれじゃあ太輔と俺は同じ気持ちみたいじゃないか。
本当に？これは夢だ現実じゃない。
でも自分の頬を抓ってみれば痛いし、こんな都合のいいことが現実にあるんだろうか。
さっきとは違う感情の涙がどんどん溢れてきた。
それにしても「もう会わない」って…
「…お前、ホント馬鹿…」
後ろから抱きしめると少しオロオロしながら俺の手をぎゅっと握ってくれた。
俺も色々悪あがきしすぎたけど、そろそろ全部お前に白状することにする。
心して聞いとけ馬鹿野郎。
「俺も言う…から聞いて？」
「…うん」
「俺、ずっと好きな人がいる。いつから好きなのかはわかんないけど、一緒にいるうちに好きになってた。一緒にいるのが当たり前で、もしかしたらそいつも俺の事好きなんじゃないかな？とか、これからも当たり前にずっと一緒に、隣にいるもんだと思ってた。でも違った。
そいつは俺の事避けるようになった。理由は分からない。もしかしたら俺の気持ちがバレたのかな…気持ち悪いって思ったのかも。
それからずっと、別に好きな人を作ろうとか忘れようって思っても忘れられない。思い出すんだ。
大学に入って、やっと忘れられそう、やっと俺にも別の恋ができるんじゃないか。そう思った時にまた俺の前に現れたんだよ。そいつが。」
「お前が。」
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作者名：ぽんた | 作成日時：2021年2月21日 2時
