俺は君の特別になりたい (ページ32)

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「今のままが……1番幸せなんじゃないかって…」

「……らしくないな。宏光。
今のままが1番幸せ？この前辛いって言ってたやん。辛いけど傷つかないから今が一番幸せなん？違うやろ。幸せになるには必ず傷つくリスクもあるんや。それを乗り越えた先に幸せってあるんと違う？
結果がどうあれ、傷つく覚悟せんと前に進めんやろ。」

「…………俺、これ以上傷つきたくなくて、太輔のことも時間が忘れさせてくれるって…何も行動してなかった……

そうだよな…ただくんの言葉で目ェ覚めた！
俺、ちゃんと太輔に振られてくる。」

「おう。もし振られたら慰めてやる！ほら！行ってき！」

ただくんバシンと背中を叩かれてファミレスを出る。
ずっと臆病になってた。
自分じゃ何にもしてないくせに、勝手に傷ついて……

こんなに傷ついてるのに結局諦められてないのも何も行動を起こしてないせい。
だから今日で全部ケリつけてやる。
スッパリ振られて、泣きまくって、太輔の気持ちを終わらせるんだ。

俺は太輔の家に走った。

息を切らしながらチャイムを押しても返事はなかった。
もう一度押してみてもやっぱり返事はない。
バイトだろうか。でもこの時間ならバイトは終わっているはずだ
宏光今日バイト?
宏光なにか予定あった?
宏光俺、今太輔の家の目の前いるんだけど

LINEを送ってみても返事はなかった。
いつも秒で返信するくせに……
本当に忙しいのか、それとも避けられているのか…
最後の頼みで電話をかけてみる。
すると3コールくらいで繋がった。
『…もしもし』

久しぶりの太輔の声に泣きそうになる。やっぱり好きだ。この声が太輔が…好きだ

｢もしもし。俺」
『久しぶり。どうしたの？』

電話はすぐ出たのに……LINEを見てないなんてことあるだろうか…もしかしたらLINEブロックとか非表示にされてしまっていたりするんだろうか。
声が震えそうになるのを必死に抑える。

「お前、LINE見てねぇの？」
『あー…ごめん見てないや』
「そっか…」
『なんか用だった？』

太輔はどこにいるんだろうか…今日会える？
直接、伝えたい。顔を見てしっかりとつたえたい。俺が想いを伝えたらどんな顔をするかなんとなく分かるけど。

「今…何処にいるの…？」
『今、合宿免許で長野いるけど…』
「いつ帰ってくるの」
『え、来週の24日に…』
「じゃあその日お前の家行くから」
『へ？』
「じゃあな」

なにか言いたそうな太輔の声を遮って電話を切った。