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今まで一緒だった登下校は「バスケの朝練が早くなったから」と解消され、俺たちは一緒にいる機会が無くなった。
部活も、学年も違う俺たちは、登下校くらいしか一緒にいる時間がなかったのに。
俺は知ってる。バスケ部の朝練が早くなってないのを。
つまり、太輔が俺を避けているのだ。
…なんで。
俺、何か悪い事した?何か気に触るようなことした?
なんで…
今まで隣に居たのに今は何処か遠く感じる。
バレたの?俺がお前のこと好きなの。
気持ち悪いって思った?もう一緒に居たくないって思った?
考えれば考えるほど胸はモヤモヤとズキズキと傷んできて今にも涙が出そうだった。
「今週の土曜日、後輩の新人戦なんだけど一緒に見に行かね?」
バスケ部の友人にそう誘われて、そういえば太輔がレギュラーになりそうという話を思い出した。
行けば少しでも太輔と話せるかもしれない。仲直り出来るかもしれない。
そんな淡い期待を膨らませて、一つ返事でOKした。
土曜日、友人と市の体育館に行くと既にウォーミングアップを終えたバスケ部員が動きを確認していたり、軽く自主練していたりしている。もちろん太輔も。
「俺、挨拶行ってくるけど北山も来る?」
「いや、俺はやめとく」
何となく、試合前に話しかけに行くのは気が引けた。俺は試合前は集中したいし、太輔もそうかもしれないし。
しばらくすると試合が始まって、太輔がコートに出てくる。
どうやらレギュラーを勝ち取ったようだ。
普段とは違う真剣にボールを追う姿におもわず胸が高鳴る。バスケなんて授業で習ったくらいしかルールは知らないけど、コートから目が離せなかった。
気がつけば試合は終わってて、うちの学校の圧勝。仲間たちと仲良くハイタッチをして喜ぶ太輔を見ていたら不意に目が合った。
太輔はビックリしたように目を見開いたあと、気まずそうに目を逸らした。
今まで抱いていた淡い期待が消え去った。
俺には「やったよ」って笑いかけてすらくれないんだ。
仲直りなんて無理なんだ。
もう太輔は俺に対して笑ってくれない。
周りが歓喜に包まれている中、俺は涙を流さないよう必死に唇を噛んだ。
後輩の所に行こうと言う友人に「用事ができた」と断って、無我夢中で走って帰った。
自分の部屋に入った途端、今まで堪えてきた涙がどっと溢れて止まらなかった
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作者名:ぽんた | 作成日時:2021年2月21日 2時