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「今日も相変わらず暇だな」
「そうだね」
毎週火曜日二限と三限の間の昼休み。
文化祭代表者会議だ。
いつものようにレジュメに書いてある事を読み上げる実行委員とそれを適当に聞いてる代表者達。
俺は会議の間ただくんのLINEを開いてずっとトークしてるし、隣の横尾さんなんて英語の教科書開いて堂々と課題やってるし。
「なにそれ課題?」
「そー。明日までなんだけど全然わかんなくて」
「そーなの?俺英語得意だよ」
「まじ?ここわかんないんだけど」
「あー、ここの動詞を…」
「え、すげ。」
「あと何ページ?」
「2ページ。とプリント」
「結構あるじゃねぇか」
これみよがしに出された両面刷りのプリント。
5枚くらいある。
たまにいるよね。アホみたいに課題出してくるやつ。どうやら横尾さんは必修の教授、ハズレを引いたみたいだ。
「みっちゃん三限後暇?」
「なんもないよ。暇。」
「お願い!英語教えてくんない?俺英語凄い苦手でさ…友達も来るんだけど」
「んー、俺でよければ全然いいけど!」
「ありがとう!じゃあ三限後カフェでね!」
そんなわけで引き受けちゃった訳だけど…
「渉、お待たせ…え?」
妙に聞きなれた声が後ろから聞こえた。
「この後なんも予定ないって言ってたし英語教えてくれるみたいだから誘っちゃった。」
「え…なんで…?」
「え、太輔?」
まさかの横尾さんの友達ってのが太輔だったのだ。
…最悪。
太輔と横尾さんはなんか喋ってるけど、正直俺はもう帰りたいよ。来たばっかで申し訳ないけど。
どうにか理由つけて帰れないかな。バイトあったの忘れてた!とか
「みっちゃんって…その呼び方何?!てかなんでヒロがいるの?!」
「だってみっちゃんが「先輩って堅苦しいからヤダ」って言ってたから。みっちゃん、かわいいでしょ。それにみっちゃん英語得意らしいから教えてもらおうと思ってさ」
やば。話なんも聞いてなかったからどういう話してんのか全然わかんないんだけど。
それでも横尾さんは俺に眼力で圧をかけてきたから内容なんて全く分からないのに「いいよ」って適当に返事した。
太輔の方を見れば不機嫌そうな顔をして俺の顔をじっと見てる。
いや、やっぱ気まずいや。帰ろ
「やっぱ俺…帰ろっかな」
机の上に出しておいた筆箱をしまおうとすると何故か腕を掴まれた。びっくりして顔を上げると太輔が逃がさないとでも言うようにじっと俺を見つめていた。
「英語、教えてくれるんですよね?北山先輩?」
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作者名:ぽんた | 作成日時:2021年2月21日 2時