【歌い.手】天月さんの幼馴染は大人気歌い手。＿２ (ページ22)

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Story.04＿優しいキミに僕は…。ページ22

こんな体調悪いのは久しぶりかもしれない。
最近は比較的に調子が良かったから余計に辛い。だから、ちょっとだけ、たまたまLINEが来た相手に＂ツライ＂と告げてしまった。

まふ「……やっちゃった、」

自分で送っておきながら、とんでもなく後悔した。
相手からはただ一言＂わかった！＂とだけ返事が来た。

まふ「どうしよ、」

なんて呟いたと同時にピンポンピンポーンといつものように呼び鈴が2回鳴ったあと、ガチャと玄関のドアが開く音がした。

「お邪魔します、」

まふ「はぐちゃん」

「まふくん！起きてちゃダメだよ！」

僕の姿を見つけて駆け寄って来たはぐちゃんは心配そうに眉を下げて「大丈夫なの？」と見つめてくる。

まふ「はぐちゃんの顔見たら少し元気出た」

「本当は？」

まふ「……ツライ、デス」

「はい、じゃあ今すぐベッドへ行ってください！」

まふ「でも、」

はぐちゃん、今結構忙しいはずなのに。こんなところに来て、僕を気にかけてる暇なんてないはずなのに。

「まふくん、私を頼ってくれてありがとうね。」

そう言って微笑んだ彼女がどうしようもないくらい愛しくて、自然と身体は動いていた。

「！！……まふくん、？」

まふ「……ありがとう」

驚くはぐちゃんを抱きしめたまま呟いた言葉は、きちんと相手に届いていたようで、彼女は返事の代わりにポンポンと優しいリズムで僕の背中を軽く叩いた。

まふ「、ごめんね！」

我に返ってバッと離れた僕に、クスッと笑ったはぐちゃんは何もなかったかのように立ち上がった。

「まふくんは少し寝てて。私おかゆ作るから」

まふ「はぐちゃん、」

「その代わり、良くなったら曲作りの相談に乗ってね？」

まふ「！！、もちろんっ」

きっと、この想いが届く事はないかもしれない。
それでも僕は、優しくて可愛いキミがやっぱり好きなんだ…。

Story.04＿優しいキミに僕は…。

［ MEMO ］
・歌い手たちの出入りが多いまふまふさん宅では「到着したよ」という合図に呼び鈴を2回鳴らしてから勝手に家へと上がるみたいなことやってたら面白い。ということで冒頭で「ピンポンピンポーンといつものように呼び鈴が2回鳴ったあと、ガチャと玄関のドアが開く音がした。」としました。(合鍵持ってる方限定※そらまふうらさかはぐTキヨ月Eve)