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涼子の言葉に黙る俺達。
これは母さんに聞いた方が早いか?
思い出したら、最近の母さんは涼子が帰ってくるのを今か今かと心配そうに待っていたな。
いつもの病み期が来て不安定なだけかと思ってたが・・・
何か心当たりがあるのならその反応は母親として当たり前の反応だ。
「よし、母さんに話を聞きに行こう」
下に行くと母さんはキッチンで夕飯を作っていた。
4人揃って降りてきた俺たちにビックリして振り向きながら包丁を向ける母さん。
「ぎゃっ」
「うわっ」
「えっ」
「うおっ」
さて、誰が誰でしょう。←
「ちょ!母さん!俺だって」
「あ・・・り、涼介。涼子。侑李くん、大ちゃん。ビックリしちゃって。ごめんなさいね」
ホッとしたのか掴んでいたままの包丁をまな板の上のキャベツにぶっ刺す母さん。
こえーよ。
キャベツは包丁置き場じゃねーから。
それにしたって家の中なのにビビり過ぎ。
そんな母さんに益々怪しさが募る。
「母さん、聞きたいことがあるんだけど」
母さんは俺たちに背を向けて再び調理を再開しだした。
「なに?今しか言えないこと?」
「うん。ちょっと気になることがあって」
「私まだやること沢山あるから、手短にね」
「田中先生ってどんな奴?」
「・・・とてもいい先生よ。イケメンだし」
そこかよ。本当涼子もだけど、イケメン好きだよな。
「私を送ってくれること、知ってたの?」
俺が話すより先に涼子が聞いていた。
その言葉に一瞬手が止まる母さん。
だけど、次の言葉は予想してなかったことだった。
「知ってるわよ。毎回、先生から連絡頂くから」
・・・知ってたのか。
アッサリ1つ目の謎が解けて、空気が緩む俺たち。
確かに良く考えたら、先公が送ってくなら親に毎回連絡するのは当たり前のこと・・・だよな。
「なーんだ」
ホッとする俺。
田中はマトモな奴だったか。
ただ、大した用もないのに涼子だけ呼び出すのだけは納得いってないが。
成績が悪いとはいえ、それは涼子だけじゃないはず。
俺が考えあぐねていると、涼子がまた口を開いた。
「あと、お母さんは何に怯えてるの?
今日も私を慌てて隠すようにして・・・、、あのシャッター音について、何か知ってるんじゃないの?」
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作者名:AKA | 作成日時:2021年11月21日 9時