第61話 なんでもする ページ19
『…すみませんでした…。』
｢ンマー、いいってことだ。それに、謝られると俺も困る。｣
ブルのおじさんの店を出て話す。
アイスバーグさんはブルの点検に来た所だったらしい。社長になる人がこんなお店にまで顔を出すなんて…。
ーーなんていい人なんだ…。私に何か出来ることは無いだろうか。お金以外で。
『…ありがとうございました。その…お礼をさせて欲しいです。お、お金以外なら…何でもします！』
滞在中にできることはあるだろうか…。言ってから少し考えていると、
｢…ンマー、そんな必要はない…と言いたいところだが…。
あんたみたいな綺麗な女が、なんでもするってんだ。こんないい話はない…。｣
そう言って私の手を取り歩き出す。
『…！ま、待ってください。そ、そういう意味じゃ…。』
私の心配は無用だったようだ。
手を引かれ着いた所は、バーだった。
時刻は既に17時を回っていた。
｢くくっ…なんだ、別のところがよかったか？｣
『…！し、失礼しました…。』
私は顔が真っ赤になるのを隠しながら言うと、｢面白いな。｣と言われ、さらに顔が赤くなるのを感じた。
店に入ると店主が声をかける。
｢アイスバーグさん！いらっしゃい。…あんたが女を連れてくるなんて、珍しいこともあるもんだ。｣
｢ンマー…そんな日があってもいいだろう。今日はいつもの飲み仲間に断られてね。｣
連れられて入ったは良いものの、私はお酒を飲んではいけないと、諜報部員等に言われている。
しかし、私はなんでもすると言った手前ここで断るわけにはいかない。
｢…あんた、飲めるか？｣
『…少しなら。』
そう言って1番アルコール度数の低いものを貰う。
｢ンマー、無理はするな。そこに座ってるだけでいい。｣
そんなことを言ってくれるこの人は相当モテるんだろうな。と思う。
少し見つめすぎただろうか、
｢…なんだ、そんなに見つめてくれるな。照れる。｣
そう言った彼はブルのお店の時とは違い、明らかに照れて、それを隠すようにお酒を1口飲んだ。
｢ンマー…しかし、あんたはもっと危機感と言うやつを持った方がいいな。｣
少し間が空いた後、アイスバーグさんが言った。
｢なんでもするなんて、簡単に言うもんじゃない。そんな言葉、聞いた男が悪けれァ、今頃…。｣
言い淀む。
『…そうですよね。でも、嬉しかったんです。そ、それだけ…。』
そう言うとアイスバーグさんは頬杖を着きながら私の方をじっと見つめていた。
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アタル(プロフ) - サクラさん» サクラさん、ありがとうございます！コメントで感想を送ってくださると本当にやる気が出ます。自分で始めたので頑張るというのもなんか変な感じですが、頑張ります！ (2019年10月12日 17時) (
レス) id: e103d991e7 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - カクもルッチもカッコいい…！毎回キュンキュンさせてもらってます！更新頑張ってください！ (2019年10月12日 16時) (レス) id: 2be65d96af (このIDを非表示/違反報告)
アタル(プロフ) - akane10746さん» 前回からコメントありがうございます！続けてみてくださっていてとても嬉しいです！頑張ります。 (2019年10月8日 13時) (レス) id: e103d991e7 (このIDを非表示/違反報告)
akane10746(プロフ) - 毎回面白いです!更新頑張ってください！！！ (2019年10月8日 9時) (レス) id: 38a8873821 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アタル | 作成日時：2019年10月7日 0時
